Successful Communication (成功する意思疎通)→ アイキャッチ画像

「なんやねんこれ」と思われた方、驚かせてすみません。こんな感じの講師(フィンランド人)が担当した科目でした。厳密に言うとこれにメガネをかけて「ニヤリ」とした感じの講師でした。

前回ご紹介したウプサラアントレプログラム第2弾の Business Plan Catalyst で精神的にしんどい状態が続く中、同時並行で3教科目の Successful Communication という授業が始まります。

LINK【ウプサラアントレ】Business Plan Catalyst

この授業の意図は、“スタートアップ活動に欠かせないピッチ(アイディアやビジネスプラン披露)をより成功に導くためのプレゼン能力の強化” にあり、それをウプサラお家芸アカデミックな視点からコミュ力向上の理解を深めようという科目でした。

どういったプレゼンの組み立てがより聞き手に理解されやすいかを学問的要素から考えていく授業展開でしたが、(消)とある通り現在はプログラムに組み込まれていません。

それほど意味のない科目だったと全会一致だったからです。そして全会一致で物凄く奇妙な講師が担当したある意味忘れられないコースでした。

最終的にプログラムを構成したディレクターがこの講師にイラついていた様子が印象的でした。



Successful Communication

Successful Communication は正式な1科目でありましたが立ち位置的には前述した通り、”スタートアップピッチの能力向上を目指したサブ科目” でした。

Business Plan Catalyst の忙しい日々の合間を縫って授業が開講され、「何で今これやねん」と全員いらつかされて割とピリピリした空気感が漂っていました。

というのもプレゼン力向上のソフトスキル習得を目指したものと説明がありながら、蓋を空ければ “everything’s an argument with readings” というメインの教科書を軸に、出題される小論文やスピーチをアカデミックな視点で分析して、それを討論、各自レポートにするという授業展開だったからです。

また教科書を参考にフリートピックで小論文(割と長め)を書いて提出、6人1チームで他の5人の論文をアカデミックな視点から分析し、講師の前で発表する(6人分)など、普通のアントレからは独立した内容となっていました。

1点、僕のビジネスプランチームが人数が少なかったため時間的に余裕がなく「何でこれ今やねん」と僕が人一倍感じたのも否めません。

ただ、 この科目で行なったことが実際にピッチスキルの向上に繋がったとは思えないことと、社会人経験の多い者たちからすればプレゼン力向上は各々が課外活動で取り組むべきこと(外部でスピーチを聞きに行ったり、実際のスタートアップピッチコンテストに参加して何かを掴むなど)で、そもそもこの科目がアントレプログラムの1教科として数十時間使うべきものだったのか?という疑問が後に残りました。

もちろんプレゼン力強化は大切だと思いますが、ゲストスピーカーの招待や好例として誰かのスピーチを取り挙げるなどもなく、ひたすら教科書頼みだったことも不満の一因だったと思います。

この他にはフリートピックで5分程度のプレゼンを1人1人ビデオ撮影し、クラスメートと良い点・悪い点を分析していくというものもありました(これは有益だったと思います、すでに経験済みでしたが)。

スタートアッププロジェクトピッチコンペ

このコースはいくつかのレポート、小論文、個別プレゼン、そして Business Plan Catalyst と共同で催されたスタートアップピッチの出来で成績が下されました。

各チーム20〜30分割り当てられ、2ヶ月間取り組んだスタートアップビジネスプランを発表します。このピッチコンペはプレゼン後相当な質問と攻撃が浴びせられるので、それに対するディフェンスも重要なのです。

きちんと用意していないチームは「練習してきたのかよ?」というぐらい内容がひどく 、悲惨なほど講師から辛辣な皮肉で批判されていました。「自分達はそもそもこのビジネスモデルが好きじゃなかった」と言い訳していましたが、それを聞いてディレクターの耳が真っ赤に染まっていくのが後ろから見ていて恐ろしかったです。ちなみに1番大人数(7名)のチームでした。

揉めまくった僕達のチームはコンペ内で1番スコアの高かった2チームのうちの1つとなり、雨降って地固まるではないですが、たくさん口論した甲斐がありました。


総評

このコースは僕の中で限りなく × に近い△ですかね。授業内容は前述した通り、ソフトスキルの向上ではなく、”Communication” という学問の歴史や心理学的要素の理解といった内容でしたので、なんとなく講師とプログラムをデザインしたディレクターの間で認識のズレがあったように見えました。

余談ですが、このフィンランド人講師かなり人柄にクセがあると言いますか、パンチが効いています。コース中盤に自分のパンツ一丁の画像をスクリーンに写したり、「この前博士課程の生徒の卒論ディフェンスに出たんだけど、ボロカスに言ったら最後泣いちゃって途中で中断しないといけなくなったんだよね〜。」と笑いながら話したりしていました。

「どうせ話盛っとんやろ」と受け流していたら、授業中に複数名の生徒を「くそしょうもない論文、何が言いたいのか全く分からないんだけど英語話せないの?」など暴言を使って罵倒しまくったり、気に入った男子学生を口説いたり、なんか怖かったです。

最後のピッチコンペも自分が facilitator (進行役)でありながら、何も進めない様子にディレクターがマジギレする場面があったり、「本当に色んな人がいるな〜」とストレスよりも驚きの方が大きかったです。

全然関係ありませんが、クラスメートがジムのシャワールームでこの講師と出くわし、めっちゃ気まずかったみたいです。というわけで、受講者からのフィードバックもありこの科目は既にプログラムからは消されています。