デカい!とにかくデカい!こんなにデカい意味はあるのか?ってくらいデカい!

今日ご紹介するストックホルムのコワーキングスペースはスウェーデン最大規模であり、恐らくストックホルムで最も有名なスペースだと思います。

理由は様々なステージのスタートアップ企業が共存するスペースであり、シードステージのスタートアップだけを対象としてきたインキュベーターのコワーキングスペースとは雰囲気がかなり異なるからです(もう少し大人な感じです)。

その名も Epicenter 。


場所

最寄駅: Hotorget Station

スタートアップのリスクはオフィスレンタルにあった!?

Epicenter はストックホルムを拠点として、2015に設立されました。このエピセンターが他のコワーキングスペースとは異なっていたのは、スタートアップが直面する問題をコワーキングスペースの立場で解決することを主にしていた点でした。

当時、一般的なオフィスレンタルにありがちな数年単位での賃貸契約の縛りは、起業家をリスクにさらすことが問題になっていたのでした。

これは賃貸契約が理由で規模拡大のチャンスを逃してしまう、または急な不況や業績悪化の状況でも規模縮小が出来ずコストを垂れ流してしまうというスタートアップの致命的な問題点を突いていました。ゆえに、

スタートアップビジネスは常に不安定であるがゆえ、企業は状況に応じて常に作業場の規模を自由に拡大したり縮小したりすることを許されるべきだ

とし、彼ら自身のスタートアップが始まりました。


ローリングシステム

Photo: Epicenter

前述の問題を解決するために Epicenter が導入したシステムが、ローリングメンバーシップシステムでした。ローリング=動き回る、つまりスタートアップ企業が Epicenter のオファーする賃貸契約内で自由に移動出来るというものでした。

具体的には3ヶ月に1度契約を見直す機会を与えられ、その時々のビジネスの状況に応じオフィスプランを変更出来きます。

よって、賃貸契約の縛りがなくなり、スタートアップ企業は自由にビジネスのスケールアップとスケールダウンの意思決定を迅速に行えるようになります。

さらに契約のオプションは4種類あり、この中から自由にプランを選び変更することが出来ます。

 ・コワーキングスペース:割り当てられた作業場がいらない人向け

 ・パートナーデスク:オフィスはいらないけど決まったデスクが欲しい人向け

 ・スタジオ:2〜12人向けの作業場

 ・プライベートオフィス:10人以上のデジタル企業向け

Photo: Epicenter

メンバーシップ

Photo: Epicenter

メンバーシップの種類は2つあり

Knowledge Membership  (2,500 SEK/month)

Corporate Membership (15,000 SEK/month 〜)

となっています。

Knowledge Membership は Epicenter のラウンジを利用したりイベントに参加したい個人の方向けメンバーシップです。

一方、Corporate Membership はスタートアップ企業向けのメンバーシップで、Epicenter が開催するセミナーやリーダーシップセッション等に参加し、成功した起業家の体験談やどのようにスタートアップ企業がイノベーションを起こせるようになるのかなどを学べる機会が与えられるようです。

Epicenter のスタッフの方にうかがったところ、以前はアーリーステージのスタートアップの入居を断り、経済援助が確約された急成長中のデジタルベンチャー企業のみを対象にしていたようです。

しかし現在は、創業間もないスタートアップ企業やプロジェクトも支援しているそうで、まずは現地を訪れてスタッフの人達に相談してみるのがいいかもしれませんね。

ちなみに、彼らが主に探しているスタートアップのフィールドはフィンテック、ヘルスケア、メディア、IoTとフードテックだそうです。

エピセンターは創業以来、外部の大企業と所属するスタートアップが交流を図れる環境作りに励んできました。現在、Spotify や Klarna などの注目企業も Epicenter のメンバーでネットワークの規模は絶賛拡大中です。


最先端テクノロジーの宝庫

Photo: Bloomberg

ちなみに皆さん、近年スウェーデンでは若い世代を中心に体内にマイクロチップを埋め込み、それを公共交通機関の E チケット代わりに利用したり、会社のオフィスの入退室カード代わりに利用する動きが広がっているのを知っていますか?

ここエピセンターでも、体内埋め込み型マイクロチップに対応した入退室管理システムが完備され、実際に既に多くのスタッフが日常的に利用しています。スウェーデンに行く以前からこの技術が実用され出していたことは知っていましたが、実際に初めて見たとき実はちょっとヒキました。

それは僕がテクノロジー狂でないことが関係していますが、「そこまでしなくてもな〜」というのが個人的な感想です(実際は便利なんでしょうが)。

僕が SUP46 で出会ったこの人工知能ロボットもエピセンターで研究開発されています。このロボットと話した時も「ハイテクの進展はどこまで行くのやら。」と感じたのが正直なところです。

ちなみに僕はこのロボットに「君の顔キモいね」みたいなことを言われました(ロボットがオペレーターに言わされていたのでしょうか?)

Epicenter にはこの他にも様々な最先端テクノロジーを持ったスタートアップ企業が活動しています。ストックホルムのハイテク事情が垣間見えるおもしろい場所ですので、近くに行った際は立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

Epicenter と並ぶストックホルムスタートアップハブに興味ある方、こちらものぞいてみて下さい。

LINKSUP46 - 北欧のリーディングスタートアップハブ –