本日ご紹介する Gasque/ Gask(ガスク)は、そのスウェーデン独自文化を学生として体感する、最たるものだと思います。
週末になるとクラブへ向かいどんちゃん騒ぎするスウェーデンの学生達も、ガスクではドレスコードを着て行儀良く食事をとります。
そしてその後は、やっぱりパーリピーポーに戻るようです … 。
Gasque/ Gask(ガスク)
ガスクはこれまたスウェーデンの独自文化である、学生クラブ Nation(ネイション)が主催し、食事の準備、配膳、パーティの間の様々な催し物を企画・運営します。
LINK【世界一ユニークな学生クラブ】スウェーデンの Nation とは!?
例えば、ウプサラ大学では各 Nation が時期をズラして Gask を企画し、学生はオンラインや Nation でチケットを購入し、友人やクラスメート達と参加します。
ドレスコードで特別な雰囲気を
Gasque はドレスコードが必須のオフィシャルパーティーで、パーカーにデニムのようなラフな格好では中に入れません(多分)。
普段は地味な格好で髭を蓄え、クマみたいな見た目をしたクラスメートが、ガスク参加の最には髭を剃り落とし、シュッとした出で立ちになっていたことに衝撃を受けたのを今でも覚えています。
例えるなら全日本プロレスの川田選手が、俳優の水島ヒロさんになるくらいその見た目が変化しました。
それくらい、友人やクラスメートの(見た目での)普段とのギャップを楽しめる、また違った面白さのある特別感溢れるパーティーです。
特別なのは Nation Building も
ギャップが増すのは皆の格好だけではありません。普段は雑多な Nation のカフェテリアも、整然とテーブル&テーブルクロス、食器、グラスが並べられ、「これ本当に同じ場所?」と疑いたくなります。
ガスクの間の雰囲気は Nation によって若干異なるようで、照明がフルでたかれた明るい食事の場を提供する Nation もあれば、僕が参加した Gask のように終始薄暗い雰囲気を保ったまま(写真上)のパターンもありました。
間接照明やテーブルの上のキャンドルだけが室内を照らし、ものすごく雰囲気がありました。
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「暗闇2割増し」という言葉が昔流行りましたが、皆んなイケメンです。
肝心の食事ですが、そこは北欧らしく極めてシンプル。前菜のサラダ(皿に野菜が並べられてドレッシングがかかったもの)、メイン(超絶シンプルな肉(チキンやポーク)か魚の煮込み)、デザートというものでした。
写真は敢えて撮らなかったくらい、食事に特別感はないです。そちらに期待はすべきではないかと …。
*暗闇2割増し:合コンの場などにおいては、やや薄暗い場所で機会を設けた方が成功する確率が高まる。光と影の影響で物体に凹凸が生まれやすく、顔が小さくなったり、目が大きくなったり、鼻が高くなったりするからだ。これら全ては光と影の芸術が生み出したもので、実際は何もしていないのに見た目が「2割増す」ことからこの言葉が生まれた。後日明るい場所で会うと「2割減る」というリスクも兼ね備える。
催し物
答えは演劇です。
友情をテーマにした短い演劇で、最後はなぜか Pokemon の歌に合わせながらダンスをして幕が下りました。スタンディングオーベーションだったことは言うまでもありません。
LINKウプサラ大学留学記
このようにただひたすら食事を取るだけでなく、アルコールを飲みながら、Nation の催し物を見て同じテーブルの人達と笑いあって時間を共にする、素晴らしい学生パーティーなのです。
30過ぎてからこんな青春を味わえるなんて、「俺の人生も捨てたもんじゃなかったな」と感慨深い気分に浸ったまま僕は自宅へと戻りました。
そう、修士プログラムのプロジェクトの期日が迫っており、鬼ほど提出するレポートが残っていたためです。
LINKウプサラアントレ
では、それがない人達は楽しいガスクの後、何をするのか?
クラブ化す Gask の会場
Photo: Stockholms Nation (Facebook)
楽しい2時間のガスク終了すると、ゲストは一旦外へ出されます。しかし、それで終わりではありません。パーリーピーポースウェーデンの学生がそんな行儀よく終わるわけがないのです。
先ほどまで伝統的なスウェーデンの老舗レストランのような雰囲気を醸し出していた Nation は、ナイトクラブのフロアへと化します。
ガスクに参加した学生はこの日入場料の支払いを免除され、ガスクゲスト以外の一般の客(他の学生)と混ざり、正装のまま酒と音楽にまみれ朝まで過ごします。
Gask の素晴らしい体験をした学生が、ナイトクラブでぶっ壊れるのです。
くどいですが、真面目な僕はほろ酔い状態のままアパートへ戻り、プロジェクトのレポート作成に励むのでした。
ついでに言うと、ガスクの後クラブに参加した酔っ払い欧米人連中がアパートへ戻ってきて、朝までどんちゃん騒ぎしたおかげで、僕はその晩数十ページにおよぶレポート作成を完遂するのでした(眠ることが出来ず)。
やれやれだぜ。