スウェーデン留学を目指す方々にとっては、ちょうどこれからが必要な書類を作成する大事な時期かと思います。
思い起こせば僕自身10月頃から CV(職務経歴書)、Motivation Letter/Personal Statement(志望動機書)を何の知識もないところから書き始め、満足のいく仕上がりにおさめるまで丸々2ヶ月かかりました。
それほど一発勝負のスウェーデン留学選考プロセスでは、両ドキュメント(書類)は重要になってきます。「一発勝負!?」と思われた方、もう1度おさらいしておきましょう。
CV に決まったフォーマットはない
スウェーデン留学の選考プロセスでは、イギリスなどと異なり 1st、2nd、3rd ラウンドのようなセカンド・サードチャンスはありません。文字通り1回こっきりの選考です。
また、一般的にCV、Motivation Letter には特に決まったフォーマットはなく、自分自身のオリジナルを作成する必要があり、純ドメの我々にはなかなか骨が折れる作業となります。めっちゃタイムコンスーミングです。
僕もネットに出ているだけのものを読み漁り、最終的に自分なりのフォーマットを作りました。と言っても CV に関してはほぼほぼ書く順番、内容などは共通点がありましたが。
「こう書けば完璧だ!」とは言えませんが、僕の作成したものを公開するので、参考にしていただければと思います。
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ちなみに、この CV でアプライした学校からは、ほぼ全てオファーをもらえました(or 最終選考で辞退した)。信ぴょう性を持たせるために、一応オファーをもらった学校も公表しておきたいと思います。先行は全てアントレです。
- ウプサラ大学(スウェーデン)
- シェフィールド大学(英)
- ノッティンガム大学(英)
- アストン大学(英)
- ベルリン工科大学(独/ 最終選考辞退)
- SRH ベルリン大学(独)
- ポズナン大学(ポーランド/ 最終選考辞退)
ビジネス系専攻の CV
こちらは僕が提出した CV(職務経歴書)です。本邦初公開です、誰も興味はないと思いますが。こちらはあくまで「ビジネス系大学院専攻者向け」となりますので、その点を念頭に読み進めていただれければと思います。
ではまず、黒で塗りつぶした部分について。
① 名前:Taro YAMAMOTO のように Bold、苗字を Capital Letter(大文字)で。
② 住所
③ メールアドレス
④ 会社名
⑤ 部署名
⑥ 部署名
⑦ 大学名
です。ひとまず CV を上から下まで読んでいただければと思います。この CV のフォーマットは
・基本情報
・SUMMARY
・EMPLOYMENT
・EDUCATION
・SKILLS
・AWARDS
から成り立たせており、僕が読んだ多くの CV がこれらの要素を見出しとしていました。
また、見出しの順番に関してもこれが一般的な流れのようでしたので、それに従いました。敢えて変わったフォーマットにすると読み手にストレスを与えてしまうのでは?と考えたためです。
アピールは Motivation Letter の中で行なうことに決めます。
それでは、各要素の説明をまずは SUMMARY から行なっていきます。
SUMMARY
SUMMARY で絶対に避けるべきポイントは、だらだらと長ったらしく書くことです。文字通り1文。読み手に一瞬で自分がこれまで何をしてきたか(バックグラウンド)が伝わるような文章にする必要があります。
また、アプライした専攻がいかに自分の経歴と関係性が強いのかを表すことが出来れば、読み手の興味を引けるのではないかと思います。
僕の場合は、自分のイントラ(企業内起業活動)経験と、プロジェクトを率いたリーダーシップ経験を強調しました。どちらもアントレでは重要な要素と考えたからです。
まとめると、
- 1文にまとめる
- 専攻と経歴に関係性を持たせる
この2つを心がけることが大事かなと思います。
EMPLOYMENT
まず大前提として、EMPLOYMENT の中身は直近の職務経歴から順に書いていくということです。そして、勤めた企業ごとに
・会社名 就労期間
・企業のホームページ
・どんな企業なのかの要約
・ポジション/所属部署 就労期間
・経験したプロジェクト
をまとめました。
ちなみに、この EMOLOYMENT の中身に関しては、他者からの引用ではなく僕の完全オリジナルです。というのも、人によって CV の中でも厚みを持たせたい(アピールしたい)箇所が異なるので、参考にした CV は僕の方向性とは合わないものが多かったからです。
CV の通り、僕は大学時代の成績(GPA)が特段良いわけでもなく、英語のスコア(IELTS)がずば抜けて高いわけでもなかったので、職歴でしか他の志願者と勝負出来ないと考えていました。
逆に言うと、「職歴では絶対に勝てる」と自分が注力したい部分を最初に見つけていたことが、後に CV や Motivation Letter を満足に(自分の中では)仕上げられた点で大きかったと思います。
そして、その自分の勝負所である経験したプロジェクト(Project Experience)では、自分が背負った「責任(Responsibility)」と「成果(Achievement)」に厚みを持たせ、自分のアピールポイントとしました。
「この人間はリスクを背負って大きな責任の仕事もコミット出来るタイプなんだ」との印象を読み手に与えるためです。
また、その経験したプロジェクトでは、いかに自分が難局(苦労しまくった)を乗り越えて成果を挙げたのかを Motivation Letter で語る予定でしたので、敢えて良いことだけを羅列したことも後々の布石としました。
当然、読み手がそこまで意図を汲んでくれるとは期待していませんでしたが、自分の中でストーリー性を持たせたかったことがあります。
今考えると “変な自信” を持っていたなと感じてしまいますが、話を全く盛っていなかったので嘘をつく必要がなかったことが良かったんだと思います。
「どっからでもかかってこい」、そういう気概で書類を作成していました。
まとめると、
- 自分がどの部分で勝負するのかを考える
- その勝負する部分に内容の厚みを持たせる
- そこで背負った責任と達成した成果を具体的に述べる
- やってきたことを思い返し、自分に自信を持つ
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EDUCATION
教育面のバックグラウンドはシンプルで、大学名、在籍期間、所属学部&学科、GPA のスコアとなります。もし修士課程を修了している方は、そちらを先頭に記入して下さい。
SKILLS
僕はこちらには IELTS のスコアだけ記入しました。
大学院志願用にもかかわらず、時々保有資格を羅列している CV も見かけましたが、専攻する学業と関係がないので「意味ないよな」と読み手として感じてしまったからです。
僕自身、資格は国家資格(一応)含め20近く保有していましたが、全て省きました。もしその資格に学業との関係性がある場合は書くのもありだと思います。
AWARDS
ここでは自分が今までに受けた表彰の中で、自分という人間のアピールに役立つものをチョイスし、記入しました。
僕の場合、職歴でのリーダーシップ性とコミットメント力以外に、もう1つ自分がアピールしたかったのが「国際性の高さ(自称)」でした。
それまで北米(アメリカ、カナダ)、ヨーロッパ(イギリス、ドイツ)に短期滞在含め住んできて様々な文化と触れてきたこと、そういった異文化に問題なく対応出来きたことも自分の能力(順応性の高さ)だと考えたからです。
それを証明するのに AWARDS(表彰)という見出しを設け、以前グローバルエッセイコンペで優勝し、ニューヨークで開催された国連のユースフォーラムに招かれた経験を記入しました。
こちらもその経験を Motivation Letter に含め、国際性の高さをアピールする予定でしたので、布石として触れておきました。
まとめ、
- AWARDS の部分は他の要素でも良い
- 「自分がまだアピールしていない優れた人間的要素を証明する場所」と考える
- あくまでピックアップするアピールは専攻する学業と関係性のあるものにする
補足説明
以上が僕の CV に関する解説になります。これ以外にもインデントを駆使して、綺麗な見栄えにするなどこだわる部分はあるかと思いますが、細かい部分はご自身で調整されるのが良いかと思います。
また、これらの要素以外にも VOLUNTEER(ボランティア活動)などを入れることも実は大事です。
これは実際に LinkedIn のスタッフさんに聞いた話ですが、近年志願者の倫理感の高さを重要視する企業も増えているようですので、ボランティア活動経験を CV に含めることは大きなメリットになるそうです。
当然、大学も一組織ですので、その経験をマイナスに捉えるということは考えにくいです。とりわけ、倫理観の高いスウェーデンではより一層プラスに捉えられるでしょう。
僕もボランティア活動に従事していたことがあったので、CV にも書きたかったのですが、それを入れることで3ページになってしまうためやむなく省きました。
ページ数の話が出てきたのでこちらについても触れますと、LinkedIn のスタッフさん曰く、いかなる CV も1ページが理想的なのだそうです。
しかし、あれこれ書くと1ページなんて現実的には無理ですよね。僕も可能な限り短くして、ギリギリ2ページで収めることが出来ました。
ただ実際この2ページの CV でも複数校からオファーをいただけたことを考えると、1ページでなくても問題ないと僕は考えます。
完璧でない CV ではないとは思いますが、ご参考にしていただければと思います。
このサイト「It’s Lagom」は、これから留学する人を応援したいというサブテーマを持っています(初耳)。費用のかかる留学エージェントを利用することなく、志願プロセスを完了させていただきたい思いがありますので、このページを留学予定の方や検討している方、SNS などでシェアしていただけたら幸いです。
次回、英語で Motivation Letter(志望動機書)の書き方についてお話したいと思います。