新型コロナウイルスが猛威をふるい、世界的に感染者の数が急激に増加しています。

このサイトでもスウェーデンにおける感染者情報や、その他の地域に関しても随時情報更新していますが、追いついていない状況です。

LINK【続報】スウェーデン&北欧各国で新型コロナウイルス感染者が急増(進行中)

日本では様々な規制の問題から、遺伝子検査が十分行なわれておらず、そのことを考えるとまだ症状が表れていない感染者は相当数(数十倍)いることが指摘されます。

しかし、もしこの状態が今後数ヶ月間続くと仮定すると、スウェーデンに限らず各国留学予定者にビザや住居許可が支給されるのか? 疑問に感じます。

本日はこの点について、僕なりの考察をお話したいと思います。

 現在の日本人に対するトレンド

Photo: フジテレビ

WHO(世界保健機関)が3月2日の会見で、日本を「最も懸念される国」として挙げたように、現在世界の日本人渡航者に対しての措置は、日を追うごとに厳しくなっています。

外務省が同日公開した「日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国・入域後の行動制限」によれば、

  • 日本からの入国禁止措置を取った国:18ヵ国・地域
  • 日本からの入国者に行動制限措置や医療機関での検査を義務付けた国:35ヵ国・地域
  • ビザの発行停止:インド

となっています。さらに、アメリカのトランプ大統領も入国拒否対象国の1つに日本を加えるなど、各国が慎重で適切と呼べる対応を取っている流れです。

これらの措置を取った多くの国が中東やアジア圏の国々で、震源地・第二震源地(日本、韓国、イランなど)から地理的にも近く、新型コロナウイルス問題に対する感度が高いことが挙げられます。

しかし言い換えれば、今後感染者の増加や範囲の拡大が見込まれるヨーロッパでは、同様の措置が数週間〜数ヶ月遅れでやってくる可能性が高いことが考えられます。

【 伝染病の起源・拡大・根絶の歴史】ビジュアル パンデミック・マップ



 現在のヨーロッパの状況(3月4日時点)

AFP の直近のデータによると、ヨーロッパでの感染者数が最も高いのがイタリア(感染 2,502人、死亡79人、新規感染466人)。

しかし、感染者が報告された国は既に18ヵ国にのぼり、人の行き来が激しいヨーロッパ圏内では、さらなる増加が見込まれています。

そして、その感染の波は南部のヨーロッパから着実に中央欧州圏へと到達しつつあることから、スウェーデン含む北欧諸国での感染増加は今が瀬戸際だと考えられます。

▪️ 感染者が確認された国々(3月4日現在)

▽ドイツ
▽フランス
▽スペイン
▽イギリス
▽スイス
▽クロアチア
▽オーストリア
▽ギリシャ
▽ロシア
▽フィンランド
▽スウェーデン
▽ベルギー
▽ジョージア
▽ノルウェー
▽北マケドニア
▽ルーマニア
▽エストニア
▽デンマーク
▽アルメニア
▽チェコ
▽アイルランド

 2020年留学予定者が心得ておくべきこと

「2020年留学予定者が心得ておくべきこと」と言うと、上から目線で何様だ!?と自分でも感じてしまいますが、今年は留学の出願プロセスで「ビザの取得」が最大の懸念事項になる可能性が高いと思われます。

これはスウェーデン留学だけに限ったことではなく、今後厳しい措置が予想される北米や他の欧州圏でも同様、学生ビザ取得の審査にかかる時間が予想以上に増える、もしくは審査が通らない可能性があるからです。

多くの専門家が、国内新型コロナウイルス流行の春までの収束は不可能な点を指摘しています。理由は冒頭でも述べた、「症状の出ていない感染者」の潜在性が高いことが挙げられます。

一方で、現在イタリアで猛威をふるうこのウイルス問題は、すでに中央ヨーロッパのフランスで130人、ドイツでも157人と感染拡大を広げ、こちらも春までの収束は難しく、むしろ感染拡大のスピードが増すのは3月下旬〜4月以降だと指摘する専門家もいます。

これら国内・欧州両方の状況を考慮すると、新型コロナウイルス問題の収束が5月になるという希望的観測の成立は難しく、6月〜7月〜8月〜と夏場までかかる可能性が出てきます。

5月、6月と言えば、スウェーデン留学の出願プロセスにおいては、住居許可申請(Residence Permit)の時期で、ウイルス流行がピークを迎える4〜6月にスウェーデン政府が日本人渡航者(留学生含む)にどのような措置を取っているかによって、留学自体が難しくなる可能性があります。

LINK学生ビザの取り方 in スウェーデン

なぜなら住居許可申請なしには学生ビザの申請は出来ず、現地に住むことさえ出来ないからです。



 最悪のシナリオを描いておく

また、今現在において日本政府の対応は後手後手となり、さんざん躊躇した後「躊躇なく」と連発する総理大臣の姿は非常に滑稽ですが、予想以上のピークがこの4〜6月に達した場合、日本人自体の渡航禁止を発令する可能性もあります。

正直これに関しては、現在の日本の政治家がここまで「覚悟」を決めて腹をくくった決断が出来るかどうかは疑わしいですが、最悪のシナリオとして懸念しておくべきポイントだと考えられます。

しかし、こういった地政学的な問題は近年ヨーロッパでは付き物で、これまでにも多くの留学生や就業者が現地での政治的な問題に巻き込まれきたという事実があります。

【 伝染病の起源・拡大・根絶の歴史】ビジュアル パンデミック・マップ

実際、スウェーデンでは留学生がビザ更新を現地でされず、帰国の途についたという声も数年前は多く聞かれました(欧州難民問題時)。

最悪、非常に難しい決断を迫られることになるかもしれませんが、現段階でリスクを把握しておくという意味で、あえて予想される最悪のシナリオを列挙しておきます。

  1. 日本政府による渡航禁止措置
  2. スウェーデン政府による日本人の入国禁止措置
  3. 日本人に対する学生ビザ発行停止措置
  4. 日本人に対する住居許可発行停止措置

これから留学予定の方々の不安を煽るようなことをして非常に心苦しいですが、上記4点が今後想定される “最悪のシナリオ” です。

あくまで “最悪の” ですので、これらの措置は取られず、これまで同様の留学が可能なことも考えられます。もしくは、行動制限や入国後の医療機関への診療が義務ずけられるなどの措置発動の元、留学が許可されることも考えられます。

一方で、この未知の問題に対してスウェーデンをはじめとするヨーロッパ各国が、特に第二震源地と報道されている日本人渡航者に対しどのような措置を取るのかも予想が難しいです。

仮に、大学院からオファーをもらえたにも関わらず、ビザ取得が弊害となりスウェーデン留学が叶わない場合、

  • 今期中の第三国留学を目指す
  • スウェーデン留学を来期に持ち越す(学校からのオファーは来期への持ち越し可能かの確認)

かどうかを事前に決断し、こちらについても早め早めにアクションを取ることが重要だと思います。皆様の留学が今年も例年通り叶うよう、新型肺炎問題の早期の収束を心より願っています。

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