Odenplan ~ Citybanan 間のトンネルで見た、あの美しい電飾に照らされた近未来的空間。あれが地下鉄のプラットフォームにもあったなら、さぞかし綺麗だったろうに … 。

僕はため息をつきます。

LINK【ストックホルム地下鉄アート】ODENPLAN

しかし、実はあるんです。しかも、壁をお風呂のタイルで覆われた、輝きが増すような環境で。ストックホルム有数のショッピング街でもある Hötorget。

電光にお風呂タイルという “銭湯スタイル” の地下鉄アートはそちらの駅で見ることが出来ます。人通りが多い割に質素な作りの Hötorget Station。本日はこちらの電飾プラットフォームを見て参りましょう。

 Hötorget

Hötorget Station はこちらのサイトでもシェアしている、「スウェーデンファッションブランド」の戦艦店が立ち並ぶ地区にあります。

LINK北欧ファッションブランドリスト

また、ショップだけでなくオフィス街からも近いことから、たくさんの通勤客に利用される人通りの多い駅という印象があり、僕自身 SUP46 で活動している時はよく利用した駅でした。

人通りが多いにも関わらず、駅の出で立ちは非常に質素で、昔のヨーロッパの地下鉄の駅を彷彿とさせるような雰囲気を醸し出しています。

何か特別な意図があるのでしょうか?



 1950年代を保存

Hötorget Station は、ストックホルムで2番目に設けられた地下鉄ラインの終点駅として、1952年に作られました。

当時、1950年代初期に作られた地下鉄駅の特徴として、四角いお風呂で使うタイルを柱含めた壁一面に使うのがトレンドだったようですが、Hötorget も同じくそんな “銭湯デザイン” のプラットフォームに仕上げられたのでした。

地下鉄アートガイドの Marie Andersson さん曰く、開通した当初の地下鉄駅にはアートは描かれず、ビルボード広告などが無数に壁に貼り付けられた、今とは全く異なる雰囲気だったそうです。

その後時代の変化と共に、「アートの公共性」が議論されるようになり、新たにオープンする駅や人通りの多い既存の駅には、アートが描かれるようになりました。

アートの公共性とは、アート作品を買ったり美術館に行く余裕がない人々にも、平等に芸術を楽しめる場所が必要だという議論の末だったのでしょう。

これはすなわち、ストックホルムの地下鉄アートは、”全ての人” に素晴らしいアートを楽しめる機会を、”毎日の暮らしの中で” 平等に与えているということであり、道徳心の高いスウェーデン人ならではのアイディアだったのかもしれません。

話を Hötorget に戻すと、1998年にアーティスト Gun Gordillo 氏の近代的芸術デザイン「輝くネオンライト」が、この駅の天井にインストールされたのでした。

一方で、Hötorget の駅は1952年以来、ずっとそのクラシックな内装を変えずにいました。実際、タイルだけでなく、プラットフォームのサイン、ベンチ、ゴミ箱さえもずっと変わらずです。

そんな50年代のレトロな雰囲気を保存する意味で、プラットフォーム時代は改装されず、それら駅構内の用具も今現在保存され使用されています。

僕が感じた昔のヨーロッパの地下鉄雰囲気というのも、あながち間違いではなかったようです。



 アートとレトロさ

Hötorget Station のアートは、他の豪華絢爛地下鉄アートや Odenplan の電飾に比べ、若干見劣りする感は正直否めないと思います。

しかし、先ほど触れたプラットフォームに置かれているベンチやゴミ箱、掲示板や標識など時代を感じさせるものが至る所に見られます。

そんなレトロな時代を思わせる駅の雰囲気を感じることが、この駅のアートを楽しむ取説かもしれません。この駅を散策した後に、古い映画なんか見るのもオススメの楽しみ方です。

あまり注目されない駅のようですが、僕は個人的に好きな駅です。

*** ストックホルム地下鉄アートの全駅一覧をアップしました。皆さんのお好きなデザインはどちらですか?ご意見お待ちしております。

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