SUP46  (Startup people of Sweden)  はストックホルムを拠点とし、現地の新興企業をサポートする北欧最大級のスタートアップハブです。

まだスウェーデン国内でもスタートアップをサポートする機関が少なかった2013年、スタートアップコミュニティーの創造を目的として Jessica Stark、 Sebastian Fuchs、Nathalie Nylén の3人で設立しました。

僕はスウェーデンに渡ったかなり初期段階で SUP46 を知るきっかけがあり、こちらで面接を受けインターンとして、9ヶ月間彼らの活動をサポートする機会に恵まれました。

多くのスタートアップスター(スタートアップシーンで成功をおさめた人達をそう呼ぶのだそうです)に直接会い、お話する機会を持てたりと非常に貴重な時間を過ごすことが出来ました。

いえ、確実に学校のお勉強よりも身になったとさえ思います。

僕の活動内容含め、SUP46について今日はお話したいと思います。

ロケーション

住所:Tegelbacken 4A, 111 52 Stockholm, Sweden
Webサイト:SUP46

長年入居したビルから WeWork Stockholm  への引越しを経て、現在はストックホルム中央駅からすぐのシェラトンホテルすぐ隣に移動しました。

LINK【北欧一発目】WeWork Stockholm オープン&レポ



ビジネスモデル

SUP46 は WeWork への引越し以降、オープンカフェを閉じたり、スペースレンタルなどの事業をストップするなど、スタートアップ支援以外の活動は縮小傾向にあるようです。

しかし、事業が始まった時の収益源は全部で4つありました。

 1. オフィスレンタル

 2. イベント会場・会議室レンタル

 3. 所属スタートアップと投資家のマッチング

 4. カフェ(Startup Cafe)

です。

1. オフィスレンタル
シードステージのスタートアップ企業にコーワーキングスペースを格安で貸し出す。入居したスタートアップはチームの人数に応じてレントを支払う。

2. イベント会場・会議室レンタル
外部企業のイベントや勉強会など向けに大会議室(イベント会場)を貸し出す(プロジェクターやPC 周りと音響設備完備)。

SUP46 側が司会やイベントのセッティング等も請負い、この時インターンが共に活動をする。

イベントで用意される瓶ビールの量は大きなバスタブ2台分だが、一瞬でなくなる。

3. 所属スタートアップと投資家のマッチング
外部投資家を招いて、所属するスタートアップにピッチする機会を定期的に設ける。もしそこで資金調達の契約が結ばれれば、スタートアップ、投資家の両方から投資額に対して数%のコミッションを取る。
4. カフェ
一般人向けのオープンカフェもオフィスの隣にあり、誰でも訪れて休憩したり仕事をすることが出来る(Wi-fi 完備)。

イベントの際こちらで軽食や飲み物(アルコール類含む)を用意しケータリングする。

スタートアップカフェの名で運営されている。

SUP46プログラム

(こちらも現在は条件が変わっているため、以前のビジネスモデル時の説明です)

SUP46 は創業期のスタートアップ企業(または会社登記していないが成長ポテンシャルの高いベンチャープロジェクトのチーム)に月額数万円でコーワーキングスペースを貸し出します。

所属したいスタートアップは、SUP46 のマネージメントメンバーにビジネスアイディアをピッチし、認められれば18ヶ月間オフィスを使用することが出来ます。

セキュリティーが守られたオフィスで、インターネット、会議室、電話、飲み物、軽食などなど活動するのに不可欠な機器・設備・飲食物の使用を許可されます。これら全部込みで1人あたり6〜7万円で入居が可能になります。

これは現地の不動産価格等を考えると破格です。

18ヶ月というのは、SUP46 が可能な限り多くのベンチャープロジェクトを世に送り出すことをミッションと決めているためで、ポテンシャルの低かったものはズルズル活動させないという決意によるものだそうです。

またスペース的にも60チームしか収容することが出来きず、この点は妥協なく徹底させています(現在は WeWork 内で活動しているので、収容チーム数については要確認)。

僕は実際退場していった方々と親交があったのですが、去り方は驚くほどにあっさりで感極まりながら別れを惜しむ感は皆無でした(「あっ、今日辞めるねん。ほなな!」みたいな)。

確かにより多くの企業に資金調達をしてもらい、新しいものと去るものの出入り循環を高めること自体が、彼らの収入源を最大化させることになりますよね。

現在60のスタートアップがSUP46で活動していますが、大半がプラットフォーマー、モバイル、メディア、ゲーム関連でそのビジネスモデルもユニークさが求められます。

この18ヶ月プロジェクトの申し込みは、毎月かなりの数にのぼるそうで、数チームのみが新たなメンバーとして迎えいれられます。

所属する側の最も大きなメリットは、SUP46 が持つネットワークをフル活用出来るところで、頻繁に行われる様々なイベントに無料でブースを設けられ、外部の投資家、企業、現地の学生などとコネクションを持つことが出来ます。

リクルートの面でも大きな効果を発揮しているようです。



創業者:Jessica Stark/ Photo: SUP46

「全てのストックホルムを拠点にしたスタートアップがグローバル規模でゲームチェンジャーになることを目指し、私達は全力で彼らをサポートしているのよ!」

創業者の Jessica さんとは度々話す機会がありましたが、物腰柔らかくそれでいて自信にみなぎった力強さのある方でした。

あと服装と Mac に貼っているステッカーがめっちゃオシャレでした。

SUP46が主催するイベント

SUP46 Happy Hour(毎月1回一般参加可能な無料のお酒パーティー)

SUP46が主催するイベントは本当に多岐に渡ります。スタートアップ関連のイベントから、一般企業の朝活勉強会、音楽セッションに飲み会。

ほぼ毎日SUPに行っていたので、僕は誰よりもイベントに参加していたと自負していますが飽きることがありませんでした。

今思えばラッキーだったのは、ほぼ全てのイベントが英語で開催されていたので、内容がきちんと理解することができ、参加者ともたくさんお話が出来ました。

僕が特に参加をおすすめするのは現地の大学に進学した学生の方々で、学校ではこれほど産業界と近く接する機会がないので、ネットワークや交友関係を広げるのに凄くいい機会だと思います。

またリクルートイベントも度々開催されているので、現地企業で働いてみたいという方は要チェックですね!

SUP 主催のパーティーの翌日は毎回よく覚えてない人から「昨日楽しかったよ」とFB上でメッセージをもらいました(それぐらいお酒が提供されます)。

終電逃がすまいとベロンベロンでストックホルム中央駅に猛ダッシュした日々を今では懐かしく思います。「30過ぎて何やってんだ俺」と涙がしょっぱかったです。

ゲスト側も頻繁に足を運んでくださる方がいたり、もう何度か会話を交わすと友達のように接してくれます。これもスウェーデンならではの気さくな国民性による恩恵だったなと感じています。

所属メンバーも国際色に富み、日本人だからといっておっくうになる必要はもちろんありません。

様々な人と出会う機会に恵まれ、SUP46 で活動出来たことは僕にとって本当に大きかったです。新たな出会いや発見を見つけに足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

*ストックホルムのスタートアップエコシステムに関するページを設けました。もしよろしければお立ち寄り下さい。↓↓↓

LINKStockholm Startup Ecosystem