毎年スウェーデンに行くと、新たに社会に浸透していく技術やサービスを目にします。

それは交通機関に関しても言えることで、ここ2〜3年目覚しく利用が広がったのが “電動キックボードシェアサービス“。

近年、スウェーデンだけでなく北欧諸国やヨーロッパのあちこちで、電動キックボードで街を颯爽とすり抜けていく姿が若者を中心に見られます。

しかし、この電動キックボードシェアビジネスは、死亡事故が発生したり、乗り捨てられたキックボードが道に散乱するなど、色々と論争を呼んでいるのもまた事実です。

果たしてコロナ禍でこのニュービジネスは生き残ることが出来るのか!?

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 電動キックボードシェアビジネス

2019年頃からスウェーデンや近隣の北欧諸国で頻繁に見られるようになったのが、このシェアサイクルに変わる新たなビジネス、シェア電動キックボード。

イギリス・ロンドンなどではサイクルの方が一般的ですが、そのスウェーデン版だなと初めて見た時感じました。

使い方は極めて簡単。スマホに専用アプリをダンロードし、使う時に QR Code を読み取ってロックを解除し、終わったらスマホ上でロックをかけて完了。 使い終えたキックボードは路上に放置しておけば、また他のユーザーが使うというシステムです。 実際に使用する人にアプリの手順を見せてもらいましたが、app としては非常に優秀なサービスだと思いました(スーパーシンプル)。

 E-Scooter Market

スウェーデンではこの E-Scooter マーケットには、国内メーカーの VOI(オレンジ)、アメリカ系の Lime(緑)などがしのぎを削っていますが、サービスの中身は全く同じようなアプリを使ったシェア。 利用者を増やすため両方がキャンペーンを打ったりと、プロモーション面で積極的に動いた甲斐あって、2019年利用者は爆増したようでした。 昨年僕が北欧へ行った時に最も感じた大きな変化の1つが、この電動キックボードの広がりで、街の風景が一変してしまっていました。 この他ノルウェー、フィンランド、デンマークなどではまた異なるブランドがこの市場に参入しているようで、かなり熱いスタートアップビジネスのようです。 【NewsPicks Publishing】STARTUP 優れた起業家は何を考え、どう行動したか

 問題も多いビジネス

激熱新興ビジネスである一方、この電動キックボードシェアビジネスは色々と問題点も浮かび上がっています。そして、それはやはりルールの未整備に原因があると考えられます。

一応、各メーカーからそれらしいサービスの使い方、やめて欲しい乗り方などが示されたり … 示されてなかったり… 要はまちまちです。

ルールが曖昧なため、歩道を走るキックボードや、二人乗りするキックボード、シャドウの中央を走るキックボード、歩道の真ん中に散乱する乗り捨てられたキックボードなど、「やりたい放題やん!」と思えるような光景も頻繁に見られました。

また深刻な問題として、死亡事故を含めた電動キックボードによる事故が多発していることも、論争を呼ぶ原因の1つになっています。

実際にスウェーデンの国土交通省は、この電動キックボードの公道での使用禁止を、実際に起こった死亡事故を理由に昨年訴えました。

しかし、手付かずのまま皮肉にも利用者は増え続けるという広がりを見せています。

僕も実際に、街中でこのキックボードでこける人の姿を見ました。確実にオーバーウエイトな女性が勢いよく道にダイブする姿は、見ていて本当に冷やっとしました(折れたと思いました)。

「Oh, no ~~~」と涙目で苦笑いする姿と真っ赤な手のひらは未だに忘れません。

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 コロナ禍で終わるのか!?

僕は本国では外国人ですので、よその国のことをとやかく言うべきではありませんが、シンプルに「邪魔だなこのキックボード」と感じることが多かったです。

やはり目に付いたのが利用者のマナーの悪さ。繁華街の人が歩くど真ん中にぽいっと乗り捨て後は知らんぷり。当然ボードは倒れそれが歩行者を阻みますから、無駄に道が混雑したりもします。

では、そんな問題の多いこの新たなビジネスはコロナ禍で廃れていくのか!?

昨年から今年にかけて主要プレイヤーの多くが資金調達に成功しており(VOI:$85M、Lime:$170M)、今すぐにキャッシュがショートするというわけではなさそうです。

しかし、当然ながら赤字が続いていることと、新型コロナウイルス問題で数十カ国でのビジネススタートが延期されていることから、前途多難であることは間違いないでしょう。

日本でも実験中の電動キックボードのシェアサービスはいくつかあるようですが、運動バカの僕は利用することはなさそうです。

30分早く出て30分歩きたいのです。歩いた分お腹も減って疲れてよく眠れるのです。

 

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