いつだったか、確か去年か一昨年の年末「よしもと楽屋ニュース」でリークされたスキャンダルでした。
昨年最も飛躍したお笑い芸人の一人、コロチキ・ナダルさん。普通人が言えない表現や出来ないことをさらっとこなしてしまう彼のスタイルに、僕も魅了されています。
クロちゃんと並ぶくらいイジられが楽しい芸人さんです。
そんなナダルさんが暴露されたスキャンダルが「女子便事件」。便意をもよおした彼が、男子トイレがいっぱいだったために、女子トイレで便を済ませ事なきを得た事件です。
共演者からは「犯罪だろー」という声が聞かれ、「それはやばいやろ」と僕も思いました。しかし同時に、「スウェーデンでは普通なんだけどな〜」とあることを思い出しました。
そう、スウェーデンでは男女兼用のトイレが多いんです。
Gender Neutral Toilets
僕が最初にスウェーデンでは男女兼用トイレが一般的であることを知ったのは、ウプサラ中央駅の有料トイレを目撃した時でした。
他のヨーロッパ諸国同様、スウェーデンでも駅などの公共トイレでは、利用料を取られるところが多いです。
ウプサラ中央駅では警備員がトイレ前に立ち、利用者を先導していました。しかし、あきらかに男女が同じ列に並び同じトイレを利用しています。
「そうか!ジェンダーイーコールだ!」
この時初めて男女兼用トイレの存在を知ることになります。ちなみに英語では Gender Neutral Toilets、Unisex Toilets、Ungendered Toilets と言うみたいです。
欧米諸国では最近このスタイルが浸透しつつあるようで、アメリカやドイツなども北欧に習えでユニセックストイレを増やしていっているようです。
全ウプサラ大のトイレは男女兼用
ちなみにウプサラ大学全キャンパスのトイレは、この Gender Neutral Toilets です。特に調べていませんが、記憶上そうでした。
これは恐らくスウェーデンという国が、がセクシャル・マイノリティ(性的少数者)に配慮を心がけるお国柄であることが反映していると、クラスメートが教えてくれました。
僕も最初は何となく変な感じがしたと言いますか、「そういえば小学校低学年の頃はトイレが別れてなかったな〜」と昔のことをふと思い出しましたが、一旦使い出すとそんなに違和感を感じなくなりました。
むしろ 女性さえ気にならないのならば、長い列を並ばなくていいので良いシステムだと思いました。当然、隠しカメラが設置されないようになど、防犯対策は必須ですが。
日本ではいつも公共トイレで女性側が長い列を作り、男性として申し訳なく感じることも多いです。
気まずさはある?
ある日のストックホルム郊外アウトレットモール。
トイレに行きたくなり、僕は掲示板の通りに足を進めます。
「あっ、あった、あった。」
「んっ?分かれてんのか?」
「いやっ、でも入り口は1つだ」
ユニセックストイレだろうと思い、中へ。
用を足し、水を流します。そして扉を開けると、3人組の女性が入ってきました。すると、僕の顔を「ゾッ」とした表情で見つめ、立ち止まります。
「やばい、男女兼用じゃなかったんだ。痴漢容疑で捕まる」
明石の茹で蛸ばりに僕の顔は真っ赤に。
「…. 」(awkward silence)
その後何事もなくその3人はトイレの個室へと向かいました。
何が言いたいのかと言いますと、人がいないタイミングでのユニセックストイレは、一瞬「間違った?」と錯覚するほど男女別トイレと区別がつきません。割と焦ります。
また、(あまり言いたくありませんが)公共トイレでクマみたいな図体のデカイおっさんが「ブリブリぶりぶり〜」と豪快に音を立てことを済ませ、その後その個室トイレに誘導されたのはブロンドの長い髪を持つ綺麗な女性でした。
そのおっさんは出て来る時になぜかウィンクをしていたのですが、
「いらんいらん」
と僕は心の中で叫ばずにはいられませんでした。
スウェーデンの Gender Neutral Toilets、慣れが必要です。
逆に問題?
また、こんなエピソードも。
こちらはウメア大学図書館に設けられた Unisex Toilets。他の大学同様男女兼用。
しかーし、男女のマークの両隣に個室トイレが設けられるため、男女兼用なのか別々なのか利用者を困惑させているのだそうです。
さらに、男性、女性マークの上のアロー(矢印)が、男性は左へ、女性は右へにも見えるだとか、見えないだとか。
というのをローカル紙が取り上げていました。要するに、トイレが男女別に見えて “逆” に迷惑な表示だったというスウェーデンならではのエピソードでした。