Uppsala Career Tour 一向はこれまでベルギー、オランダ、アイルランドを移動し、6つの企業訪問を行なってきました。

そして前回の Google 訪問の午後に訪れたのが、このツアー最終訪問企業となる、Oracle Dublin Office です。

オラクルは現在世界中に130,000以上の従業員を抱える、巨大ソフトウェア企業ですが、彼らもまたアイルランドに拠点を構えたアメリカ企業の1つです。

非常に高収益で知られている企業ですが、近年ではクラウド事業が伸びに伸びまくり飛ぶ鳥落とす勢いだとか。時間もたっぷりと取られているため、ガッツリワークショップが期待されます。

2017年4月7日、忘れられない日となりました。


Oracle Dublin Office

Oracle のダブリンオフィスは、East Point Business Park という街の中心部からほど近い、再開発地域に構えられています。Yahoo や Cisco など他の大企業もここに拠点を置いており、大企業のために開発された地区といってよいかと思います。

ダウンタウンからはタクシーで5分少々、芝生や緑に覆われ、川沿いに位置していることからも、都会の喧騒から距離を置ける良い環境だなというのが第一印象でした。

オフィスに着くと担当の方により奥の専用ルームへ。Oracle ではワークショップがガッツリ2時間用意されていたため、施設案内等は省き早速事業内容やダブリンオフィスの説明へ。

業績は北米のみならず、ヨーロッパでも高成長を維持しているようで、かなり強気な発言をされているのが印象的でした。

Oracle の直近のセグメント別業績: Source Tech Nikkei

特にアイルランドは法人税率が低いため、儲かって儲かってしょうがないんだと思います。Oracle は大学勉強でケーススタディとしてもよく扱われるため、この成功しているテック企業をもっとよく知ろうと皆目が真剣です。

Oracle Workshop

Oracle Workshop はこれまで参加したものとはかなり異なり、かなりブートキャンプ的なものでした。ファシリテーターが途中で手を叩きながら叫んだりします。

 「はいはいはいはい、そんな悠長に考えてるとどんどんどんどん時間がなるなるわよ!」

「あれは考えたの?その結論だと一方しか見てないことになるわよ、どうなの?誰か何も思わなかったの?」

皆ファシリテーターの勢いに面食らいます。

ですがこれには意図があって、(商品やサービスの)ライフサイクルの移り変わりが激しいソフトウェア業界では、このくらいのスピード感を持って限られた時間内でベストな決断を下す必要があるんだとか。

間違いを犯すことよりもスピードを優先する企業風土なんだと説明がありました。そうして2時間のワークショップも4分の3が終わり、残りは発表だけになりました。

その前に小休憩があり僕は外へ空気を吸いにいきました。5分くらいして部屋へ戻ると、何か空気が違っていることに気づきます。

皆電話をしたり、携帯の画面を食い入るように見たり、泣いていたり …


ストックホルムトラックテロ事件

僕達が Oracle で Workshop に取り組んでいた頃、ストックホルムの繁華街で最も人通りの多い1つ Drottninggatan で、トラックを使った無差別テロ事件が発生しました。

この事件で4人が亡くなり、15人が負傷(うち9人が重傷/重体)するという、治安の良いスウェーデンでは考えられなかった痛ましい事件が起こりました。

皆 SNS を通じてこの事件を知り、家族や友人と連絡が取れず不安になったり、安否を確認でき安心したことから涙が出ていたんだと思います。

またスウェーデンという国がこれまで移民や難民に寛容な政策をとっていただけに、「どうして」と事件そのものにショックを受け、放心状態になっているメンバーもいました。

本当に亡くなった方々や負傷した方々を思うと、いたたまれなくなった瞬間でした。

Oracle のスタッフさん側のはからいで、Workshop の最終プレゼンは中止し、残りの採用プロセス等に関する情報は、スウェーデンに帰国した後ビデオコールで行なうことになりました。

この日の企業訪問はこれで終了です。しばらく小一時間ほど、皆の気分が落ち着くまで休憩させてもらい、宿泊施設へと引き返すのでした。

残りのダブリン滞在記

Oracle 訪問の後、気を取り直して街へ飲みにいくことになりました。当然あのような事件があった後なので、パーティー気分になるわけもなく、皆思い思いにパブまでの煉瓦畳みを歩きます。

互いを元気付けようと肩を組んだり、あたたかさを感じる光景でした。

Uppsala Career Tour は翌日正午までダブリンに滞在し、各自観光をしたり、カフェで修論に明け暮れたり(僕ともう1人)、午後のフライトまで時間を潰しました。

ダブリン(アイルランド)は通貨にユーロを採用していることもあり、イギリスよりははるかに物価が低かったです。商業施設も多く、ここで勉強をしたり働いたりとすむ分には良さそうだな〜と思いました。

ただ、観光面でいうと僕がそんなに下調べをしていなかったためか、名所が繁華街にあるわけでもなく、特段見るべき場所もなかったかな〜という印象です。


前回お話した GUINNESS STOREHOUSE は絶対に行くべきおすすめスポットですが、それ以外は街歩きやパブではしご酒を楽しむ場所のようでした。

何はともあれ、Uppsala Career Tour はその後無事スウェーデンに帰国することができ、本当に良い思い出になりました。ツアーを企画してくれた Ekonomerna のメンバーや、一緒に楽しく旅出来た参加メンバーには感謝です。

これからウプサラ大に留学予定の方で修学旅行気分を味わいたい肩は、Ekonomerna 企画の Uppsala Career Tour は本当におすすめです。