アントレプログラム年内最後のコース、Managing the Growing Firm 1  が予想外に質が高く有意義な内容となり、充実した気分で年を越すことが出来ました。

年が明け、ウプサラマスターアントレは第2セメスターで

  • プロジェクト専念
  • 講義受講(2コース)

の2つに分かれます。毎年だいたいクラスで半々に分かれるようですが、僕は講義受講コースを選択し授業を受けながら自分のしたいことをやっていました。

後半戦一発目は Managing the Growing Firm2となりますが、残念ながら Growing Firm1の素晴らしい講師ではありませんでした。

しかし、少人数クラスはやはり良いことも多かったです。


Managing the Growing Firm 2

Source: The multinational company is in trouble | The Economist

Managing the Growing Firm 2は、主にシードステージを抜けたスタートアップの国際化に特化したコースでした。巨大マーケット日本で生活してきた自分には「シードステージを抜けてすぐに国際化なんだ、早いなぁ」という印象でした。

しかし国内市場の小さいスウェーデン人にとって、ビジネスの国際化は必要不可欠で「それなしに生き残ることは不可能」だと講師は断言していました。意識の違いに気付かされます。

ちなみに講師は30代後半のスウェーデン人男性で、前年まで隣国デンマーク・コペンハーゲン(大学)ビジネススクールの教壇に立っていました。

非常にオープンマインドで話が上手な方で、Growing Firm 1 同様ケーススタディがメインの中身の濃い授業でした。文献に関しても伝統的な堅めのものと The Economist や Harvard Business Review などのモダンな経済誌をバランス良く混ぜ、リーディングを退屈なものにしないよう工夫がされているようでした。

もちろん読み物は毎回膨大な量があります。 

時代の変化などを照らし合わせながら、今でも古典的なセオリーが機能するかなど毎回しっかりと意見が求められる本当にディベートが多いクラスでした。

The Uppsala Model of Internationalization

コースを通して要求されたのが、The Uppsala Model of Internationalization と呼ばれる、ビジネス国際化プロセスの戦略的フレームワークを使った企業分析でした。

The Uppsala Model of Internationalization は1977年にウプサラ大の2人の経済学者によって発表されたものですが、その後2009年にも追加で成功要因が加えられ再度提唱されたフレームワークです。

ウプサラ大に所属しているマスター生は必ず叩き込まれるフレームワークだそうで、大学が誇る国際化セオリーのようです。内容は非常にシンプルで AWBMH と呼ばれる5つのキーファクターから、国際マーケット参入時の障壁や実現可能性を分析するというものです。

  • A: Attitude
  • W: Why
  • B: Bring
  • M: Meet
  • H: How

初めて見た時は「何やこれ」とそのシンプルな視点に逆に驚きましたが、深く学習し様々なケース(国際化の成功パターンと失敗パターン)を AWBMH をベースに分析すると、なかなか素晴らしいフレームワークで頭の中が整理出来ます。

国際化だけでなく企業の異分野参入時にも使えそうなしろものでした。詳しく知りたい方はウプサラ大入学へ。( ´ ▽ ` )ノ



評価方法

評価方法はこれまでと同じく、授業出席日数、自主性(発言や授業態度)、ケースレポート5回分、ファイナルレポート。ファイナルレポートはアントレプログラムで最もヘビーでした。

1つのケースが3社の異なる視点から成り立ち(70ページ分)、総括して答えを出すものだったためです。しかし内容が面白くストーリ性に富んでいたので「苦しい」とは思いませんでした。

この講師も文献チョイスのセンスが高くありがたかったです。 

総評

こちらの Growing Firm も ◎ ですね。まずクラスの規模がコースが分かれたことで半分以下の8名になり、必然的に講師とのやりとり(意見交換やディベート)が格段に増えます。そのためそもそも勉学面で良い環境が用意されていると感じました。

序盤に触れたように講師も視野が広くやる気に溢れる教育者でした。適度な厳しさも持ち合わせておりクラスの他の生徒からの評判もすごく良かったです。

ゆえに現在のアントレプログラムに残っているのだと思います。