・Foundation of Entrepreneurship(消) ×
・Business Plan Catalyst ◯
・Successful Communication(消)△
とパッとしない3コースが終了しました。
この時点で11月末、防寒着が必要になってから久しい時期です。「おら(俺)ーいったい何のためにこの寒くて*暗い所までやってきたんだ …。」とスウェーデン留学までの長い道のりを思い起こします。
*スウェーデンの冬は暗い(日の出が遅く日の入りが早い)。
そうした中、早くも年内ラストのコースがスタートします。この時期僕は可能な限りコースへの期待値を下げ、「実際思ってたよりも悪くなかった」取れ高を稼ぐ超保守的な(精神的)戦法を極めます。
しかしこんな時に限って良いことは起こるものです。このプログラム始まって以来初めて完全に満足出来たコースでした、 Managing the Growing Firm 1 。
Managing the Growing Firm 1
Managing the Growing Firm 1はウプサラアントレの第1セメスターの最後にあたる科目で、第2セメスターに授業コースとプロジェクトコースに別れるため、クラスメート全員で授業を受けるのはこれが最後になりました。
現在でもプログラムに残る Managing the Growing Firm は、シードステージのスタートアップが成長過程でどのような Chaos に直面していくかを様々な側面から学び、分析するどちらかと言えばリスク回避について考える作業の多い授業でした。
冒頭で言った通り、このコースは全授業満足のいくものでした。講師はプログラムディレクターが三顧の礼でヘッドハンティングしてきた30代のスウェーデン人女性だったんですが、実際のビジネスだけでなく官学のプロジェクトにも携わってきた経験があり、非常に広い見識を持ってコースを進行されていました。
まず当たり前ですがこのコースは一般的な欧米留学のようにすることが非常に多かったです。毎回100ページ近くの文献のリーディング、コースで使用されるパワポの内容の理解、それを元にしたディベート、複数回のレポート提出を行ないます。
100%インタラクティブ
また授業は基本的にケーススタディに関してが主体になるので、ほぼ100%インタラクティブな討論で構成され毎回白熱した雰囲気となりました。「これが留学やんけ!」とやっと実感出来たような瞬間でもありました。
また、スタートアップ視点でものごとを捉えるだけでなく、ベンチャーキャピタルについて深く学ぶ回も設定され、スタートアップの評価(ファイナンス、人材、技術、ポテンシャル etc)方法について学び、分析、発表する機会が設けられるなど、素直に受けていてワクワクするような授業展開が行なわれていました。
ちなみにたまたまこの講師が日本の近年の経済対策(異次元緩和やマイナス金利の導入)について(ネガティブな意味で)興味があったらしく、授業後2人で話したりと個人的に密に接させてもらいました。
その際授業のフィードバックを求めてきたり、改善したい部分を相談してきたりとすごく努力されている点がこれまで受けた講師陣とは違っていました。三顧の礼した劉玄徳(ディレクター)に感謝です。
Law Firm でスタートアップを考える
コース終盤、僕たちは AG ADVOKAT というストックホルムにある法律事務所へコースワークに出かけました。スタートアップ支援にも精通する law firm でしたので、ベンチャービジネスにありがちな法律面での課題や失敗事例についてのレクチャーがあり、その後はディスカッションへ。
ADVOKAT 側が用意した実際のケーススタディを皆で議論します。クラスには僕含め30〜40代の生徒も多数在籍しましたが、さすがに法律に関しては「盲点だった…」と皆が感じる程様々な失敗ケースが存在し、良い学びとなりました。
全ては事前にこのコースの講師と打ち合わせがされていたようで、非常に有意義なコースワークとなりました。
話は飛びますが、ここで休憩中に出された Fika 用のシナモンロール、スウェーデン滞在中に食べた全シナモンロールで一番美味しかったです。どこで買ったのかを聞くと近くのパン屋と言っていました。
総評
素直に ◎ でした。それまで3コースと比較してではなく、本当にコースのコンテンツがしっかりと考えてデザインされており、講師が僕に言ったように「アカデミックでありながら可能な限り皆のアウトプットを引き出す」環境を整えて下さっていました。
実はこの講師の女性、今回が教壇に立つのが初めてだったそうです。授業後に色々と雑談するなかで本当はあまり自信がなかったこと、今現在小さい子供をベビーシッターに預けてコースを運営していることなど本音を話して下さいました。
初心忘るべからずと言いますか、やはり新鮮な気持ちを持って職務に取り組むことの大事さも彼女の姿勢から学んだとも言えます。
何はともあれ大満足でした。