LINKウプサラ大学留学記
ウプサラという街は、ストックホルムやヨーテボリなどの大都市と比べ、本当に規模の小さい街です。
一方で、スウェーデンの伝統的な建造物や文化遺産が残る古都として、国内では特別な意味合いを持つ街として認識されているようでした。
せっかくですので、あらためてウプサラという街について情報をまとめてみたいと思います。
ウプサラと街の人々
ウプサラはスウェーデンで4番目に大きな都市で、古くから学業の街として栄えてきました。直近のデータでは人口149,245人(2015年)、東京でいうところの東村山市ぐらいの規模だそうです。
国内第4の都市といっても日本の政令都市と比べ、非常に規模が小さいことが分かるかと思います。ただ、首都・ストックホルムから電車1本(約1時間)とアクセスが良いため、僕自身は1つの都市というより ‘ストックホルム近郊‘ というような位置付けでした。
街全体の雰囲気は、中央を流れる川とあちこちにそびえ立つ木々のおかげで、自然豊かな緑溢れる住宅街と僕の目には写りました。
実際、街の中央を囲むように、あちこちにお家やアパートが立ち並んでいます。スウェーデンの伝統的な北欧建築法を取り入れたカラフルな住宅は、青空とのコントラストが本当に美しかったです。
もう1つ街の雰囲気を語るのに外せないポイントは、やはりウプサラ = 学生街という事実です。
ウプサラ大学やその他の専門学校(ビジネススクール)、地元の中・高校などが同じ区域にキャンパスを構えているため、あちこちで元気な学生が走り回ったり、寝そべったり、催し物をしている姿が見られます。
毎年、ウプサラ大学だけでも、相当な数の新入生が街にやって来ます。そのため、地元の人達は、いかに学生がこの街にとって重要な存在かを、社会・経済の両側面から理解しているようでした。
ゆえに、留学生であっても、地元の人々が非常に温かく接してくれる環境がそこにはありました。
これはウプサラだけでなく、スウェーデン全体的に言えることでもあります。
そのため基本的には外国人に対しても親切で、「スウェーデン人と同等の扱いを受けている」と僕自身感じる場面が非常に多かったです。
例えば、路上で何か困ったことがあった場合、「大丈夫?」と相手から話しかけて来て下さったり、逆にこちらから「すみませーん」と話しかけた時も、良心的に対応してもらった経験が何度もありました。
本当にありがたかったです。
この点がこれまで住んできた国々とは決定的な違いで、無論、人種を理由とした差別的な言葉を投げかけられたりしたことは1度もありませんでした。
逆に言うと、これまで中・長期滞在してきたカナダ、イギリス、ドイツでは何度かそういった事態に遭遇したことがあります。イギリスで経験した差別は面食らうくらい痛烈なものでした。
スウェーデン人の友人に理由(外国人に対し平等に接する姿勢)を聞いたところ、これは学校の授業でそうしなければいけないという道徳教育が行われているためで、小さい頃から学校でそう習うんだそうです。
実際に教科書にもそのようなことが書かれているそうで、スウェーデン人の倫理観の高さが、教育によるものだということが新ためてよく分かります。
このあたりはスウェーデンの教育現場についてまとめられた著書 “みんなの教育 スウェーデンの「人を育てる」国家戦略” に詳しく書かれています。
【スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む: 日本の大学生は何を感じたのか】
スウェーデンを理解するのに、非常にためになる本でしたので、一読の価値ありです。
ウプサラの治安
治安に関しては、日本と同様に良好というのが1年暮らしてみての感想です。個人的には日本よりも治安は良いとさえ感じましたので、
昼間 ◎ +
夜間 ◎
とします。とりわけウプサラは学生の街ということもあり、夜遅くまでハングアウトしている学生が街中や住宅街で見られます。
僕も夜中にあちこち散歩したりするのが日課だったのですが、怖い目にあった経験などは1度もなかったです。
地元の人達も飲むのが好きなようで、割と平日でも夜外食している人が多かった印象です。
ただそれでも気をつけなければなりません。滞在中「最近増えたな〜」と感じたのが、バス停などの公共施設に設置されている、待合所のガラスが割られる事件です。
当然そういった行いは人目の少ない夜中に行われるので、夜遅くの外出は注意が必要です。
おまわりさんにウプサラも治安が悪くなっているのか尋ねたところ、「よその街から車でやってきて犯行に及ぶケースも多いから一概には言えないね。君も夜は気をつけてね。」と注意喚起されました。
また僕が滞在中にウプサラで起こった悪質な犯罪例として、若い女性が複数人の男に監禁・乱暴され、その様子が SNS でライブ配信されるという信じられない事件がありました。
LINK【スウェーデンで起こったテロ事件】あの時人々はどう反応したのか?を住んでいた者が回想する。
事件の残虐性だけでなく、犯人が難民申請で入国した若い外国人だったこともあり、この事件はスウェーデン人の怒りを買うだけでなく、社会的に大きな波紋を呼びました。
まれな事件であることは事実ですが、夜間の外出は特に女性の場合注意が必要ですのでなるべく公共交通機関を利用して下さい。
ウプサラの繁華街
ウプサラのダウンタウンは、中央駅から少し西に(大学キャンパス側に)位置するのですが、非常にショボいです。
特に何かがあるというわけではなく、小さな洋服ショップ、コンビニ、ドラッグストア、ファストフード、PC まわりのパーツ屋など、生活必需品を中心とした店舗が立ち並ぶ一角という感じです。
ショッピングモールなどもウプサラには存在せず、こじんまりとした2〜3階建ての小型商業施設が2〜3棟存在する程度です。
生活するのには何不自由ありませんが、ウィンドウショッピングなどが好きな人にとっては物足りない感が否めないと思います。
一方でコンパクトな街であるがゆえに繁華街エリアの人口密度は高く、一見栄えている印象を与えます。
実際、レストラン、パブ、バー、カフェ、ファストフードチェーンなどの外食産業はこの街でも盛んで、いたるところで食事を楽しむ人達が見られます。
ウプサラ大の学生はおもに Nation でお酒を飲む習性がありますが、地元民は夜遅くまでダウンタウンでお酒を楽しみ、それを何軒かハシゴします。
週末は昼間から夜遅くまで人が多い印象です。個人的にはあまりこのエリアに用事はありませんでした。
ウプサラのナイトライフ
ウプサラのナイトライフに関してまず言えることは、パブやバーに行くことしかないということです。
ダウンタウンにもナイトクラブはなく、あなたがもしパーリーピーポーだったならば、涙が出るほど「何もない!!」と感じることでしょう。
じゃあこの写真はなんなんだ!?
はい、これぞまさしく Nation が経営するナイトクラブにごった返す学生達です。
以前にも少し触れたとおり、学生クラブである Nation は自らレストランやパブ、ナイトクラブなどを運営しており、ウプサラ大生は街に出る代わりにこうして Nation のナイトクラブをハシゴします。
ウプサラの街でウプサラ大生でいることは、いわゆる特権階級のようなもので、黄門様の印籠のごとく Nation カードを受付で提示し、格安でクラブに入り音楽やお酒を楽しみます。
ここで気をつけるべき点は「みんな学生だから安心、ここはスウェーデンだから安心」というわけではないことです。
ベラベラに酔っ払った欧米人学生も多いため、注意が必要なのです。
「この世で泥酔したタチの悪い欧米人ほど面倒くさいものはない」と僕は自分の経験から断言できるので、羽目を外しすぎずマナー良くウプサラのナイトライフをお楽しみいただければと思います。
それ以外では先ほど申し上げたようにバーやパブに行くことですが、ウプサラにはスポーツパブやちょっと大人なカップルが出入りするような雰囲気の良いバーなどが多数あります。
ダウンタウンのホテルも1階ラウンジの1部をバーとしてオープンしていたり、飲みに出るのに困ることはないと思います。
僕も時々1人でバーに行ったりしましたが、どこも店員さんが気さくに話しかけて下さりいい気分転換になりました。
ご自身でお気に入りのお店を見つけるのも楽しいかもしれません!それでは次回ウプサラの観光地をご紹介したいと思います。