世界初の自転車用エアバッグ式ヘルメット Hövding の開発ルーツが、スウェーデンの誇るイノベーションの街、ルンドだったことを以前お伝えしました。

そういえば、スウェーデン留学(大学院)を目指す方々にとっては、志願校を見つけたり本格的に準備に取り掛かる時期ですね。

このサイトの主なテーマ(の1つ)「スウェーデンのスタートアップ」では、Stockholm Startup Ecosystemと題して、ストックホルムのスタートアップ環境を支えるインキュベーターやアクセラレーター、コワーキングスペース、イベント、教育機関やプログラムについてお話してきました。

しかし、冒頭でも触れた通り、この国ではストックホルムと並ぶ、もしくはある意味超えるくらい、世の中にはない製品開発が盛んに行なわれている街があります。それが南のルンドなのです。

そして、あの世界初・完全ワイヤレスイヤフォンの開発も、この小さな街だったわけです。



Apple や BOSE の先行くスウェーデン製品

近年、ケーブルをとっぱらった完全ワイヤレスイヤホンの普及が著しいですが、その一躍を買った商品が、Apple の AirPods だったことは誰もが認める事実でしょう。

この他にも BOSE の SoundSport など、大手企業がこの領域で次々に商品を発売しシノギを削っています。ちなみに僕は SoundSport を使っていますが、ランニングやジムワークなどに最適です。

しかし、爆発的ヒットした初代 AirPods よりも1年前に(2015年)、完全ワイヤレスの先駆者的商品が発売されたことはあまり知られていません。

それがスウェーデン・ルンド生まれの EARIN だったのです。

EARIN

EARIN は2013年にソニー・エリクソンやノキア出身のエンジニア3人が立ち上げた「完全ワイヤレスイヤフォン」メーカーで、当時誰もが思っていた「ケーブルのないイヤフォンがあれば …」を実際に実現してしまったことで話題を呼びました。

EARIN の初代製品 M-1 は発表するや否や、国内・国外から引き合いが相次いだようで、実際にストックホルム最大ショッピングモールなどでも専用ブース(ルーム)が設けられるなどしていました。

こちらには僕も何度か足を運び、実際に初代版の音を聞きましたが、「えっ」ってなるくらいの音質の良さとケーブルの無い状態に衝撃を受けたのを覚えています。

また、Kickstarter(クラウドファンディング)でも、北欧企業最大額の150万ドル獲得に成功し、困難な製品開発期間を乗り越えた後は、順風満帆な滑り出しだったようです。

僕はスウェーデン留学を意識し出した頃から、現地情報はマメにチェックするようにしていましたので、当然このスウェーデンスタートアップシーンが誇るテック企業の存在は知っていました。

そして、またそれがルンドを目指すキッカケにもなり、志望校選びのプロセスを一気に加速させてくれた要因の1つです。

結果、行けませんでしたが(笑)。



スウェーデン国内での EARIN の人気度

ではそんなワイヤレスイヤフォンの先駆者は、本国で市場優位を保てているのか? 残念ながら「はい、そうです」とは言えないのが実情のようです。

EARIN M-1 発表以降、多くのビッグプレーヤーが市場に参入してきました。近年ではあまり聞いたことのないようなブランドでさえ、ワイヤレスイヤフォンの製品を発表するなど、開発競争が激化しているのは否めません。

ストックホルムや近郊都市でも、若者が付けているのは Apple, BOSE 製品が多数を占め、若年層の間では Studio という比較的手を出しやすい価格の国産ブランドが人気なようです。

それ以外でも、国産の安価なワイヤレスイヤフォンが続々と登場している模様。

EARIN の M-2 は価格が3万円以上するため、同セグメントでは BOSE と戦う必要があります。しかし、品質の安定性では敵わないという評価が大半のようで(地元民曰く)、街中でも EARIN のイヤフォンを付けている人を見かけたことがありません。

スタートアップの生き残りがいかに大変かを改めて考えさせられますが、今後の EARIN に注目です。

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