突然ですが皆さん、パンはお好きですか?

僕は大好きです。普通の成人男性が「パン?結構好きだよ」というレベルを超越して、パンばっかり普段食べています。

そんなパン好きからすると、ヨーロッパはパンのディズニーランドのようなもので、同じ分類でも国によって微妙に味、香り、硬さが変わってきます。

個人的にはドイツパンのあの表面硬くて中しっとりがたまりませんが、年をとってきて歯のことを考えるとそうも言ってられません。

そういう意味ではスウェーデンのパンは硬すぎず、柔らかいわけでもなく、ちょうどいいような気がします。言うまでもなくこのパン好きは、ストックホルムのパン屋を色々と試してみるのでした。



パン屋の多いストックホルム

ストックホルムの繁華街や住宅街を歩くと、ベーカリーショップが多いです。「そうなの?その割にはスウェーデンパンって聞いたことないな。」

そう思われた方、甘いですね。うっしっしっしっ、スウェーデンにはあれがあるじゃないですか、FIKA(フィーカ)。ほとんど義務的に行なわれるコーヒーブレイクです。

FIKA のお供と言えば甘いスィーツと、シナモンロール(パン)です。あと、ドーナツみたいに捻じれた形で、砂糖で覆われたパンもよく FIKA には出されます。

正式名称忘れました。

街中のベーカリーショップでは、焼きあがったパンがこのようにディスプレイされ、人々を店内へと呼び寄せます。この1個数百円のパンを買うか買わないかで、5分くらい店の前で立ち止まったこともあります。

「どんだけ迷うねん」とか言いながら結局は餌食にされます。

ちなみにストックホルムで最も見かけるベーカリーショップは FABRIQUE というお店で、僕も度々買いに行きましたが、ここのパンは旨い!あとどの店舗も働いている女の子が可愛い!

通えど通えど全く見向きもされませんでした。しかし、味の面で本当のおすすめはここではありません。

Lillebrors bageri

僕のおすすめは Lillebrors bageri という地下鉄 Eriksplan 駅すぐにある小さなパン屋さんです。レストランやバーが立ち並ぶ閑静な住宅街にあるのですが、ここを歩いているだけでもうすでに気分が晴れ晴れします。

僕のおすすめはとさっき言いましたが、実際に紹介してくれたのは、この近辺に住んでいる友人でした。

ここのパン … まじで旨い!

シナモンロールなどの菓子パンは、外が程よくカリカリで、中身がしっとり。一口噛んだ瞬間に小麦の良い香りと、味付けの甘みが口の中に充満します。

「何でこんなに旨いの!?」と店員さんに言ってしまうくらい、こだわりをもって作っているようです。

実はここのオーナー(写真上)、ストックホルムでも有名なパン屋さん家系の出身で、本人も長年修行を積み、満を持ちしてここをオープンしたようです。

そのため、オープン直後から大人気店になり、今ではピーク時には30分以上並ばなければなりません。一度ここを紹介してくれた友人と並んでいる時に、彼のお父さんから電話がありました。

「今何してるんだ?」と聞かれ、「パンを買いに30分以上並んでるんだ」と答えると、「君は今ソビエト連邦にいるのかい?」と結構面白いブラックジョークが出るほど、異常事態なんだそうです(ストックホルムでパンを買うのに30分並ぶことは)。



あえてシンプルなパンを選んでみる

甘いもの好きの僕は菓子パンから入っていったのですが、Lillebrors bageri のシンプルなパンも香ばしくてやみつきになります。

そしてめっちゃリーズナブル。

そこそこ大きさのあるパンが70SEK(約80円)と、生活コストの高いスウェーデンでは、驚くほど良心的な価格設定です。

菓子パンではなく、これらのシンプルなパンにバターや、チーズ、はちみつなんかで食べた日には、もうパン業界の海原雄山にでもなった気分に陥ります。もしくは溝口安二郎。

オサレなカフェなんて行く必要ありません。Lillebrors bageri の80円パンとシンプルなサイドメニューで十分です。

もちもち … 。

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