彼女の名前は Faiza。フィリピンのリゾート地に暮らす生まれも育ちもフィリピンのピュアフィリピーナです。
彼女とは長年の知り合いでテキストしたりビデオコールしたりと気心知れた仲ですが、実は1度も直接会ったことがありません。
それはある知人を通じて彼女を紹介されたからです。紹介と言ってもデート向けの紹介ではなく、僕がスウェーデンに暮らしていたことがキッカケでした。
Faiza にはフィリピンで暮らすスウェーデン人のボーイフレンドがいて、僕が紹介された頃はまだ付き合いたてでした。
ではどうして僕にコンタクトがあったかというと、彼女自身北欧人に対してポジティブな印象がなく、実際スウェーデン人はどんな国民性なのかを第三者から聞き出したかったようです。
北欧人=グータラ?
というのも、その1つ前の元カレがデンマーク人で、彼女曰く「良く言えばノンビリ、悪く言うとグータラ」なタイプだったそうです。
また、そのことを指摘した際、「北欧は社会福祉が充実してるからみんなこんな感じだよ〜。ゆるくいこうよ!」と言われ、パートナーに勤勉さを求める彼女にはどうしてもそのノンビリスタイルが合わなかったのです。
ではデンマーク人とスウェーデン人どちらも北欧人ですが違いはあるのか?正直1年しかスウェーデンに滞在しなかった僕には何とも言えません。
クラスメートにデンマーク人もスウェーデン人もいましたが、どちらも勤勉でしたしいい具合にさぼりを挟んでいました。ですがデンマークで働きスウェーデンに住んでいる知人曰く「デンマーク人の方がスウェーデン人より若干ゆるい」のだそうです。
そういった諸々のお話を Faiza に伝え僕自身スウェーデンの人々に対しては好印象を持っていることを伝えると、「ありがとう安心して付き合えるわ」とその後交際は順調に進んでいきました。
アジア人妻候補に対する衝撃的歓迎
そうして時間が流れる中、彼らも将来のこと(結婚)を話すようになり、「君を両親に紹介したいんだけど、1度スウェーデンに一緒に行かないか?」と、結婚を前提に家族や親戚に紹介する機会を設けたいと申し出があったそうです。
「そう言われたの〜♡」と目がハートマークの彼女と、それを聞く独身中年おじさん(僕)の死んだ魚のような目が超絶対象的だったある日のビデオコールですが、彼女にも心配していることがあったそうです。
・寒さに耐えられるか
・お米のない生活で痩せ細るのではないか
・フィリピン人の自分を彼の家族が受け入れてくれるか
1つ目はダウンジャケットが解決してくれ、2つ目は外食でなんとかなります(フィリピン人にとって米は何よりも大事な食べ物)が3つ目は若干深刻です。人種や文化の異なる自分を先進国の小さな街の年配者が快く思うかどうかが心配だったようです(自分自身途上国出身というコンプレックスが受け入れてもらえるか心配の根底だった)。
「スウェーデンの人達は外国人に対して親切だからきっと大丈夫だよ」と軽々しく言ったものの、都会の年配者としか話したことのない僕もこの点は予測不能でした。
その後彼女は昨年の11月〜今年の1月までスウェーデンに彼と彼の家族と滞在し、無事フィリピンに帰国しました。
心配していた彼の家族や親戚達は3ヶ月間ずっと歓迎ムードで接してくれたようで、非常に感激していました。
「向こうの両親やおじいちゃんおばあちゃんみんな英語を喋れないのに、なんとかしてコミュニケーションを取ろうとしてくれたのが本当に有り難かったわ。何に対してもいつも私を優先してくれて素晴らしいファミリーに出会えたわ。たった3ヶ月だったけど Tada がスウェーデンにはまる理由がよく分かったわ。」
今回の彼の両親に挨拶する旅で、彼女の中でも彼との結婚は現実味を帯びたようで近い将来朗報が聞けそうな予感がします。
フィリピン人もびっくりの砂糖生活?
久々に Faiza と話していたときふと思ったのが、「あれっ、そういえばお米のない生活は大丈夫だったんだな。そんなに痩せ細ってないし、気持ちちょっとふっくらしたな。」ということでした。
僕の心を読むが如く、「ねぇ、なんか気づかない?私の容姿?」と尋ねられ、「色白くなった?」とか「髪型変えた?」とか適当に答えたら、「私3ヶ月で10kg 太ったの」と まさかのバルクアップ事実を打ち明けてきました。
「えっ?お米食べなかったのに?」と聞くと「Tada … スウェーデン人の砂糖摂取量本当にすごいね」と僕も身に覚えのある話が始まりました。
「朝は大粒の砂糖が大量にまぶされたシナモンロールとスクランブルエッグ。お母さんがスクランブルエッグ作っている時何か白い粉投入したの。「それ何ですか?」って聞いたら「砂糖よ」って返ってきたわ。お昼前の Fika。大量の砂糖がまぶされたスイーツが美味しかった〜。お昼もお母さんが一緒にマッシュポテト作ろうって言うから手伝ってたら何か白い粉投入したの。「それ何ですか?」って聞いたらまた「砂糖よ」って返ってきたわ。マッシュポテトに砂糖よ、信じられる?それから夕食の時一緒にシチューみたいなの作っててお母さんが何か白い粉投入したの。「それ何ですか?」って聞いたら逆に予想に反して「砂糖よ」って返ってきたわ。他にもいっぱいあるんだけど本当に糖尿病になるかと思ったわ。もう私今ぶくぶく。」
Faiza や他の(フィリピン人)友人曰く、フィリピンの人々もかなりの甘党のようで、暑さを吹き飛ばすためコーラは生活に欠かせない飲料水だそうです。
しかしそんなフィリピン人にとってさえスウェーデンの食事やスイーツに含まれる砂糖の量はなかなかのものだったようです。
相関しない肥満率と糖分と脂肪分の摂取量
僕のスウェーデン人の友人達は「Fika があるからスウェーデン人てヨーロッパでもトップクラスに砂糖摂取量が多いんだよ」とよく言っていました。
それに関するデータは正直調査機関によってまちまちなんですが、確かにスウェーデン人は糖分を多く取る傾向があることもいくつかの調査で報告されています。
上のグラフはマーケットリサーチファーム Euromonitor の2015年の調査データを元に、ワシントンポストが作成したものです。
これによればスウェーデン人の1人あたりの砂糖摂取量は、86.1g /日と世界12位となっています。また同じく摂取脂肪分に関しては80.3g と世界5位につけているようです。
WHO が定める健康的な砂糖の摂取量は1日あたり50g ですので、やや摂取過多なのが分かります。ただ面白いのが、スウェーデンだけでなくドイツ、フィンランド、ベルギーやオランダも両方摂取量が多いにも関わらず、国民の肥満率が比較的低いということです(例:ドイツの14歳以上の国民の未満率は14.7%)。
なにかコツがあるのでしょうか?
アジア人の体は対応できない!?
今思えばスウェーデン滞在中の僕の体重もまるでバンピーフライトの如く不安定でした。普段はなるべく質素倹約に徹し体重は一時期自分のベスト62kgから57kgまで落ちました。
一方学校のコース終了後のショートブレイク(コース修了試験から次のコース開始までの間1週間位のブレイクがある)時は、ストックホルムの友達とほぼ毎日会って、彼らの家で Fika や夕食をご馳走になっていました。
色んな伝統料理やスイーツを作ってもらい、有難くいただいた結果57kg から65kg にリバウンドするなど、「俺大丈夫か?」というくらい激太りしました。
ちなみにそれらをもてなしてくれた友人 Corada ちゃんは非常に料理が上手で、彼女の彼氏も付き合って15kg 太ったと言っていました。幸せ太りですね。
僕も Faiza も短期間のうちにスウェーデンの食文化で体重の激増を経験しました。
Corada ちゃんの彼氏も体重激増していることから人種が関係しているのか分かりませんが、スウェーデン人が一般的にスリムだといって同じように食べていると、体重キープのコツを知らない我々アジア人は激太りする可能性大です。
これから渡瑞される方要注意ですね!
ちなみにそんなスウェーデンの食文化を紹介する NHK の料理番組「レイチェルのスウェーデンキッチン」が今話題ですね。
結婚を機にスウェーデンへ移ったイギリス人レイチェルが、スウェーデン料理を実際に作りながら紹介する楽しい飯テロ番組です。
そんな見ているだけでヨダレが垂れてくる、スウェーデン料理をレシピに綴った彼女の本もおすすめです。
【料理好きとスウェーデン好き必見】レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン
スウェーデンマニアの僕も今年この本とで本国の料理をマスターしたいと思います。