都会へ行くと日本でも時々目にするスウェーデンっぽいものが、「北欧建築調」のカラフルな外壁塗装が施された建物や家です。
淡い色した黄色や緑、赤やオレンジなど、見ているだけで心が和みます。
スウェーデンだけでなく他の北欧諸国では、日本では奇抜と捉えられそうな外壁カラーが目に付きます。
映画「魔女の宅急便」のモデルとなった国だけあって、カラフルに塗装された建物がいくつも並ぶと、空の青さとコントラストが効いて本当に美しいです。
しかし、日本にある北欧建築調の外壁塗装を見てみると、「あれっ?ちょっと本場と違う」と感じることが多いのもまた事実。今日はその理由を元職人でもある僕が解説します。
「スウェーデンのビルがなぜあのような様々なカラーの外壁を持つようになったのか?」
その長年の疑問に答えてくれた友人の話も併せてご紹介します。
北欧でもスウェーデンのビルはダントツ!?
市街地も住宅街も一面魔女の宅急便
「快晴の青空と建物の黄色がスウェーデンの国旗っぽいよな」と、無理くりこじつけながらぶらつくのが楽しいストックホルムの町歩きですが、本当に逆に地味な色の建物がありません。
竹ぼうきにまたがって空を飛んだ気持ちが分かります。
スウェーデンの建物の外壁がカラフルなわけ
ある朝親友のビクターと、スウェーデンのロイヤルファミリーが住む森へ散歩へ行った時のことでした。行く先の古い建物や、ロイヤルファミリーの住む建物を見て、ふと北欧の建築物に関する話題になりました。
Victor:Tada はスウェーデンのビルやお家の外壁が好きみたいだけど、どうしてこんなにバラバラな色してるか知ってるかい?
—– いや、知らないんだ。そして、まさにそれを知りたいと思ってたところなんだ。
Victor:今から何百年も前の話なんだけど、昔は誰もがこういったカラフルに塗られた建物の所有を認められたわけじゃなかったんだよ。
—– 特権階級みたいなみたいなものだったの?
Victor:近いね。昔は、一部の富裕層の人達が、家や建物を明るい黄色(に近いオレンジとの間みたいな色) にペイントしていたそうなんだ。暗黙の了解で、お金持ち以外は、こういった色の外壁にすることは許されなかったんだよ。
—– そうなんだ!それからお金持ちの間で色んなカラーが増えていったの?
Victor:そうじゃないんだ。時代が流れ、それに憧れた農民層が「自分達も外壁を塗装する」と薄い緑にしたり、他の労働者階級の人が赤などを選んで色の違う家や建物が広がっていったんだよ。
それでも昔の名残から、富裕層以外の人は黄色だけは避けて塗装していったみたい。もちろん今は誰もが色を選ぶ権利があるんだけど、昔はスウェーデンでも支配者層とそうでない層に分かれていたんだ。実際この国は昔貧しい国だったしね。
—– 確かに、ストックホルムの街を歩くと、同じ色した建物が並んでいるのを見ることはないよね。一応隣のビルの持ち主に気を使っているのかもしれないね。
Victor:そうだね。そのおかげでこんなに景観の素晴らしい街並みが出来たから、その昔の慣わしが功を奏した感じだね。
日本の外壁塗装は再現出来ていない …
ストックホルムの建物も遠くから見ると、パッと見、
「お〜、きっちり塗られている。しかもあえてまだらにすることで、デザイン性が増している … 」
*** ストックホルムの観光に関する専用ページを設けました。***
リーズナブルに北欧文化を味わえる旅情報を、スウェーデン大学院留学経験者が徹底ガイド。