ストックホルム地下鉄アートの始まりは、T-Centralen(Blue-Line)ですが、それに続く次の Blue Line 駅として1975年にオープンしたのが、 Solna Centrum です。
T-Centralen の落ち着いた青いデザインとは対照的な、壁一面真っ赤にベタ塗りされた Solna Centrum のアート。
そこには一体どんなストーリーが隠されているのか!?
Solna Centrum
Solna Centrum はストックホルム中央駅にある、T-Centralen と同じ Blue Line 沿いの駅です。
T-Centrum から地下鉄に乗った人は、こちらに着いた瞬間目がシパシパするくらい、駅全体の色にギャップがあります。
数ある地下鉄アートの中でも、最も記憶に残る空間の1つであることは言うまでもありません。
社会問題を描写?
このあたり一面に広がるゴツゴツ岩に明るい赤の下地。そこに描かれる緑の絵は一体何なのか!?正解は、
・緑=森
・赤=夕焼け
のようです。落ちていく夕陽をバックにした森林を表すこの絵は、単なる風景画としてではなく、政治的な意味合いも持つようです。
この Solna Centrum Subway Art プロジェクトが完成した時、それを手掛けたアーティストである Karl-Olov Björk 氏と Anders Åberg 氏は「何かが足りない …」と強く感じたそうです。
アートガイドの Marie Andersson さんは「元々この駅のアートデザインはシンプルな赤と緑だけのはずだった」と言います。
その後彼らは足りない何かを補うかの如く、2人は様々な森のディテールを書き足していきます。そう、何とこちらのデザインはアーティストが即興で描いたものだったようです。
そして、それはやがて70年代に国内で最も社会問題として議論された、環境にまつわる問題(森林の過剰伐採や農村地域の人口減少)を描写したアートとして認知されるようになります。
人と調和するデザイン
単純な夕暮れシーンとしてこの光景を見るのと、社会的な問題を訴えかけるデザインとしてこのアートを眺めるのとでは、この駅の雰囲気は全く異なるように感じます。
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