地下深くの広大なスペースの岩盤に、下地の色と美しい絵が描かれた、ストックホルムの地下鉄アートの各駅。1つ1つ特徴がありながらも、その岩壁にアートというコンセプトは共通しています。

しかし、そんな地下鉄アートのなかにも、1つだけ他とはやや性質が異なるものがあります。

それが Thorildsplan Station にあるタイルアートです。

この場所も Stockholm Subway Art の1つとして、正式にカウントはされていますが、見るからに他とは違います。いえ、その前に地下鉄じゃないじゃん!という地上階にある駅なのです。

さらに、デザインもどこかで見たことのあるコミカルなイラストです。一体どんなストーリーがこちらには隠されているのでしょうか?

 Thorildsplan

Thorildsplan はストックホルムきってのオフィス街エリア、Hotorget と Vällingby を繋ぐ地下鉄として 1952 年に開通した歴史ある駅です。

地下鉄ラインのうち3つしかない、地上階に駅がある地下鉄であって地下鉄でない珍しい地下鉄駅でもあります。こんがらがりましたか?

しかし、もっとこんがらがるのはここで描かれているアートなのです。

パ○リっぽい … ? 

 インスピレーション

1952 年に作られた Thorildsplan Station。

「あれ? 待てよ。そんな前にこんな 70 年代っぽいデザイン考えた人がスウェーデンにいたのか?」

そう思ってしまいそうですが、アート自体は 2008 年に追加された割と新しいもののようです。

アーティスト Lars Arrhenius 氏は地下鉄アートの製作を 2008 年に正式に依頼されましたが、彼の過去の作品を考慮して、「タイルアート」というのが条件として提示されたのでした。

そして、彼は地下鉄アートのデザイン案を構想中、Thorildplan の駅を囲む環境を見て、まずは思い浮かぶものを次々と描いていきます。

無数にある横断歩道や、高い場所に設けられた歩道、エレベーターや階段 … 。

それら全ては彼に、形や模様の入り組んだビデオゲームのシーンを思い起こさせるのでした。 そうして最終的に完成したのが 、タイルを利用した 8 ビットの画素分割されたイラストでした。

我々も見覚えのある、雲やきのこ、パワーアップアイテムやロケットっぽい発射物などのイラストです。初期のあのゲームです。



 まるでゲームの世界

正直に言うと、この駅を降りたって初めてアートを見た時、その迫力の無さとパクリ感(すみません)に「えっ?」となってしまいました。

それはなぜなら、あまりにも他の地下鉄アートがイケ過ぎてしまっているからです。

しかし、いざこのアートが描かれた通路を進むと、これはこれで趣があって良いです。無数に広がるタイルを見て、僕は銭湯を思い出しました(すみません)。

そして、こういったゲームが流行った時代の映画「ビーバップハイスクール」を思い出して、涙が溢れそうにもなりました。ヘビ次、ネコ次(中村竜雄・虎雄兄弟)のやつです。

最初は「めちゃくちゃショボいやん」とか思ってしまいましたが、だんだんと愛着が湧いてきました。そう言えばファミコンのマリオは良く記憶が消えましたよね。

駅が地上階にあって開放感があるため、改札からプラットフォームまでイラストを楽しみながら気分良く向かえます。

可愛いさ偏差値の高い地下鉄アート Thorildsplan の駅でした。

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