近年ストックホルムのスタートアップブームが周辺都市へも広がりつつあることを触れてきました。

例えば電車で1時間のウプサラ市では、同市最大規模のスタートアップイベントや、テックビジネスに特化したスタートアップコワーキングスペースが昨年オープンしました。

LINK【UPPSTART】16世紀建造のお城でスタートアップイベントはいかが?

ウプサラスタートアップシーンにおけるこれら2つの大きな出来事は、イギリス人シリアルアントレプレナー Jason によって実現されましたが、実はウプサラにはそれまでにもスタートアップインキュベーターが存在していました。それが DRIVHUSET です。

こちらのインキュベーターはスウェーデン国内に支店を持つ組織で、ウプサラではこれまでもスタートアップ関連のイベントを他団体と共同で開催したり地元では名を馳せていました。

ウプサラ大学在学中、DRIVEHUSET へは何度か出入りしそちらのスタッフの方々にも色々お世話になりました。こちらの DRIVHUSET Uppsala 支店を統括するマネージャーにも取材を試みましたので、合わせてご紹介したいと思います。

DRIVHUSET

DRIVHUSET はウプサラで活動するアーリーステージの起業家をサポートするスタートアップインキュベーターです。

彼らは起業家達がよりアイディアを発展させたりネットワークを広げられるよう、安価でコワーキングスペースを貸し出ししたり、地元密着型のスタートアップイベントを数多く開催してきました。

彼らが開催してきたイベントは起業家をサポートするものにとどまらず、アントレプレナーシップを学んだり起業やビジネスに関して実践知識を得るためのワークショップなども含まれます。

その例の1つが以前ご紹介したヨーロッパ最大規模を誇るスタートアップイベント EIT Health Innovation Day です。

LINKEIT Health Innovation Day

このイベントは実は DRIVHUSET メンバーによって運営され、当日の運営のみならず僕が役割を担った Design Thinking コーチのトレーニングなども外部講師を呼んで行ないました。

地域密着型でありながら講師はストックホルムの Open Lab やスタンフォード大出身の Design Thinking 研究者を招き、かなり本格的なトレーニングを受けられたので驚いたことをよく覚えています。

マネージャーも連続起業家

これまで DRIVHUSET Uppsala へは学校の用事も兼ね4度訪問したのですが、スタッフの方々はとても親切でした。

ヘッドマネージャー Alexander Kinigalakis 氏は自ら施設を案内して下さり、そこで活動する起業家を紹介してくれたり DRIVHUSET のウプサラでの活動状況などを説明していただきました。

彼ら自身同時並行で多くのプロジェクトを抱え、思った以上に忙しそうだなというのが印象的でした。

Alexander Kinigalakis 氏

また、Alexander さん自身も実はシリアルアントレプレナーでこれまで長い間スタートアップシーンに身を置いてきました。

Tada「Alexander さん、今日はありがとうございました。ウプサラに起業家を対象としたこんなに大きな施設があったなんてびっくりでした。」

Alexander「全然かまへんで!せやろ?外観からは想像つかんくらい中広いやろ?たまに遊びに来たらええねん!」

Tada「ありがとうございます。ところで Alexander さんご自身これまで数社起業してきたってうかがったんですが、DRIVHUSET で活動するようになったきっかけって何だったんですか?」

Alexander「あんなー、俺が立ち上げたベンチャー全部あかんかったねん。」

Tada「そうなんですか!?」

Alexander「せやねん、なんちゅーか色んな面でミスったな。でも全然後悔してへんし、自分の失敗からいっぱい勉強さしてもらいましたわ。せやから無駄なもんは何もなかったっちゅうやつやな!」

Tada「実際にご自身の失敗経験は今生きてると感じられますか?」

Alexander「そんなん当たり前やん、何言うてるん自分?今自分が出来ることは過去の失敗語る事と、ここで活動する起業家をうまいこと小さい失敗させながらサポートすることや。そういう意味ではええ経験出来たよ!」

 

V シネのエセ関西弁みたいになってしまいましたが、彼のノリも BASE10 の Jason 同様関西っぽかったので訳を大阪っぽくしてみました。

Alexander さんは僕がスウェーデンで知り合った人の中でも最もパワフルな人の1人で、明るくて話が面白くてとにかく人を寄せ付けるオーラがありました。実際は写真よりもイケメンです。

本当にウェルカムな人なのでアポをとって訪問すれば色んな情報を下さると思います。

ちなみに「実物の方がイケメンですよね」っていうと「何言うとん自分ー?」みたいな感じで背中バシってされます。

Daniel Willington の CEO も注目(裏話)

ウプサラ大出身の2大起業家スターは Skype を起業した Niklas Zennstrom 氏とDaniel Wellington 創業者&CEO の Filip Tysander 氏で、地元の人々からはヒーローのように語り継がれています。

特に後者は年が若い(1985年生まれ)こともあり、憧れの的のようになっていて学生達に大きな影響を与えています。あとイケメンというのも関係しているのかもしれません。

DRIVHUSET を訪問した際 Alexander 氏が突然、

「おもろい話教えたろか?」

と言い、話を始めました。

実は DRIVHUSET Uppsala で活動する1人の起業家が「自分も Filip みたいに自分の時計ブランドを持ちたい!」と、同じコンセプトで、同じ様にブランド名(Daniel Wellington の名前の由来はたまたま出会ったイケてる英国人から取った)を付け、実際に時計を作ってしまったようなんです。

その時計を見て Alexander さんやスタッフ他の起業家達は、「まじかよ!本当に作っちゃったよ!!」と大爆笑しその場はすごく盛り上がったのでした。

Alexander「で、どないなったと思う?」

Tada「分からないです。2台目を作れず幻の1台で終わったとか?」

Alexander「違うねん。そいつ Daniel Wellington にピッチしに行って、この前 Daniel Wellington が正式にこいつのプロジェクト投資することが決まったねん。やばいやろ?」

Tada「まじで!!」

 

現在 DW からの投資が決まったプロジェクトは、スケールアップの段階で第2の Daniel Wellington が DRIVHUSET から生まれるかも!?という期待を背負いながらプロジェクトに取り掛かっているそうです。

夢がありますよね!

BASE10 と合体

昨年 DRIVHUSET は慣れ親しんだオフィスを離れ、新たなテックスタートアップハブを目指す BASE10 が入居するビルの同じフロアに移転しました。

これから本格的にウプサラのスタートアップシーンを盛り上げていく中で、2つのインキュベーターが離れていては不都合だろうという判断の元だそうです。

これから Base10 や DRIVHUSET を中心として、ウプサラのスタートアップシーンがどんどん栄えていく様子を見るのが楽しみです。

まだまだ田舎感がありますが、逆に言えば開発ポテンシャルが大きい街であることは間違いないとおもいます。

ストックホルムに滞在する機会がありましたら、是非ウプサラにも寄って DRIVHUSET&BASE10 ともに訪問してみて下さい!

スウェーデンで起業してみたいけど都会が苦手だという方にはもってこいの綺麗な街ですよ!