今年も嬉しいニュースが飛び込んできました。

材料研究を通じてリチウムイオン電池を実用化した、旭化成の吉野彰名誉フェローがノーベル化学賞を受賞しました。吉野さんは、一昨日授賞式出席のためストックホルム入りしたようです。

同じ日本人として誇らしいですね。

ストックホルムでは、平和賞を除く6部門(ノーベル物理学賞、化学賞、生理学、医学賞、文学賞、経済学)の受賞者が、市庁舎での晩餐会や、コンサートホールでの授賞式に出席される予定です。

そしてあまり知られていませんが、その授賞式前後に受賞者はスウェーデン各地方の大学を順番にまわり、なんと無料で講義を行なってくれるのです。ウプサラやストックホルム拠点の大学だけでないことがすごいですね。

Nobel Lectures(ノーベルレクチャー)と現地では呼ばれていますが、スウェーデン留学するベネフィットの1つ、いや最大の恩恵と言えるでしょう。

本日は Nobel Lectures(ノーベル賞受賞講義)についてお伝えします。



 Nobel Lectures

毎年12月中旬になると、スウェーデンの各大学がホームページ上で Nobel Lectures の日程を公開します。

全ての受賞者が大学1つ1つをまわるわけではなく、各担当があるようでお目当ての人がいる場合は自分でスケジュールを確認する必要があります。

僕の知る限りでは、このノーベルレクチャーは毎年一般公開されており、ネット予約や入場料などは必要ありません。

 大学ホームページでアナウンスされた時間前に、講義ルームの前へ集合し、時間が来ると扉が開かれ順番に席に着きます。

僕自身ウプサラ大学主催の2つの講義に参加しましたが、どちらも満席になることはなかったので、よほど人気な受賞者でもない限り人数オーバーで入れなかったということにならないでしょう。

ですが、念のため早めに現地へ行くことをおすすめします。

 開店ガラガラ

僕がウプサラ在籍時は、自分が普段授業を受けていた Ekonomikum Building で、ノーベル経済学賞受賞者の講義を聞きに行きました。

かなり早めに集合していたのでこの通りガラガラです。

「オラ一体なんのために1人で45分も前から並んでたんだ … 。 」

そんな愚痴は言ってません。



 講義自体は短め

当日はこのように、ビデオ配信用にカメラマンやメディアの方が中央を陣取ります。ノーベル賞受賞者講義なのに、意外と質素なデコレーションがスウェーデンぽい感じがしました。

もうずっとこの文化が根付いているので、スウェーデンの人達からすると恒例行事なんでしょうね。

当日はこのように、ビデオ配信用にカメラマンやメディアの方が中央を陣取ります。ノーベル賞受賞者講義なのに、意外と質素なデコレーションがスウェーデンぽい感じがしました。

もうずっとこの文化が根付いているので、スウェーデン人からすると恒例行事なんでしょう。

冒頭で経済学賞受賞の博士が「大学が段取りをミスって遅れたのに、私の持ち時間が5分減らされた」と暴露。

会場が爆笑に包まれ、朗らかな雰囲気のまま講義がスタートします。さすがにスピーチし慣れている方は、アイスブレークが上手ですね。

この日は2人のノーベル経済学賞受賞者のレクチャーが立て続けで行なわれましたが、どちらの方も30分少々の持ち時間で、思ったよりも短かったです。

その後は質疑応答時間も設けられ、講義は終了。割とあっさりしたイメージでした。

 ビデオ配信

もしも見逃した方々、心配ありません。

各講義はビデオ録画され、その後大学ホームページ上で配信されます。ただ、個人的には雰囲気を味わうため、当日 Live で講義を受けることをおすすめします。ワクワクしますよ。

また、僕のコースでもそうだったんですが、生徒が Nobel Lectures を受講したい旨を講師側に伝え、授業の日時が変更されました。

僕の友人の他コースでもそのようなことがあったそうですので、やはり大学がノーベル賞受賞者の直接講義を担当できることは光栄なことと学校側では捉えられているようで、生徒が「見たいが授業とかぶっている!」と言えば、ノーベルレクチャーが優先される傾向にあるようです。

スウェーデンに留学したからには、体験しておきたい特権階級ですね。なお、Nobel Lectures は一般公開ですので、生徒出なくても見に行くことは可能です。

観光やビジネスでスウェーデンを訪れている方も是非!!

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