昔から海外へ行くと日本を誇らしく感じることがあります。それは外国の方が首から下げている一眼レフが、だいたい日本ブランドのカメラだということです。カメラメーカーで働いたことは1度もありませんが、「すごいやろ日本」と虎の威を借る狐状態になります。

そんな一眼レフ市場も近年は曲がり角に差し掛かり、販売台数が減少に転じるなどライフサイクルが成熟期から衰退期へと向かいつつあるようです。一方、昨年から今年にかけ、多くのカメラメーカーがフルサイズミラーレスカメラの新作を発表しました。

今後は確実にミラーレスの時代になりそうですね。僕自身も昨年約10年ぶりにフルサイズカメラを購入しました。これまで Sony の RX3 をずっと使っていたんですが、昨年発売された α7ⅲ はスペックを見た瞬間即買いを決定しました(そして、メルカリでありとあらゆる所有物を売りました)。

今現在カメラ自体には満足しているんですが、1つ困ったことがあります。それはしっくりくるカメラバッグがなかなか見当たらないことです。Sony の純正のものはいまいちですし、レザーメーカーのものは質こそ良いもののデザインが微妙 …。

だからこそあれをあの時買っておくべきでした。今スウェーデンで最も勢いのあるバッグブランドと老舗カメラメーカーがコラボして作ったカメラバッグ、Sandqvist × Hasselblad



Sandqvist は2004年に Anton Sandqvist 氏によって立ち上げられたスウェーデンのバッグブランドです。ブランドコンセプトに、

・スタイリッシュ
・長持ち
・フェアトレード
・環境に優しい

を掲げ、製品、働く人、環境にまでサステナビリティ(持続性)を追求する姿勢から、共感する多くの人々に世代を超えて支持されています。

実際、全ての製品はオーガニックコットンまたはベジタブルタンニンなめし革が使用され、人工布もリサイクルされた繊維をもとにしたものを利用しており、文字通り環境に優しい企業と評価されています。

また、ブランドコンセプトの “スタイリッシュ” は、スウェーデンの文化的遺産でもあるシンプルさと美しさを掛け合わせたデザインで表現され、事実商品は無駄を省いた非常に単純な作りとなっています。

スウェーデンの学生の間では日本でも人気のカンケンバッグ(フェールラーベン)が流行っていたのですが、大学の友人(女性)がよりシンプルなつくりの Sandqvist を背負っていてこのブランドを知るようになりました。

勝手な印象ですが、女性が背負っている姿の方がよりアウトドア感が強調されて格好良く見えました。もちろん男性の間でも人気ですが。

こちらのメーカーすでにヨーロッパの主要おしゃれ都市(ロンドンの SOHO やベルリンの Mitte)にも進出しており、スウェーデンらしさを武器に徐々に知名度が増しているようです。

・農家から直接仕入れた100%オーガニックコットン使用
・使用する全ての合成素材はリサイクルされたものを使用
・コットン畑からバッグに至るまで透明性の高いサプリチェーンの実現
・サプライヤーの労働条件改善のための独立監査組織を設立
・独自で修理ショップを運営し、商品寿命を伸ばす取り組み

と、非常に倫理観の高い組織です。 ストックホルムでは3店舗展開されており、より多くの品揃えがあるのは下記の2店舗となります。

壁にバーっと(色の)組み合わせの違うバッグが並んでいて、何を買えば良いか混乱すると思います。w

Hasselblad

Hasselblad はスウェーデンの老舗カメラメーカーで、世界で初めてレンズ交換式一眼レフカメラを発表したメーカーで、カメラ愛好家の中では知る人ぞ知るブランドです。

日本メーカー以外で聞いたことのあるブランドとしてはドイツの Laica ぐらいかと思いますが、近年その知名度は上昇中です。なぜか?

それは2017年にドローン最大手・DJI(中国)に買収されたからです。以前にも別記事でご紹介しましたが、中国企業によるスウェーデン企業の買収は実はあちらこちらで起こっており、この買収事案もそれを象徴する出来事だったと思います。

僕が Hasselblad を知ったのは2011年でした。たまたま見ていた Deep の「君じゃない誰かなんて ~tejina~」の PV のお兄さんがものすごく可愛らしいカメラを持っていて、「どこのブランドだろう?」とネットサーフィン過程で Hasselblad に辿り着きました(でもお兄さんが持っていたのは実は Hasselblad ではなかったです)。

こちらのメーカー歴史が非常に興味深く、コダックの創業者と親交があったり、製造に至るまでの経緯に第二次世界大戦が関係していたり、話を聞けば聞くほど興味が湧いてきます。

僕は Gothenburg(ヨーテボリ)を訪れた際、Hasselblad Center という美術展や訪問可能な Library ツアーに参加したのですが、写真が好きな方にはうってつけの展覧会でした。

近年では DJI の傘下に入ったことからドローンから見た景色を写真にした展覧会が行われていたり、国が運営する美術館や博物館よりもおもしろいのではないでしょうか?

しかし Hasselblad のカメラは本当にデザインがイケてるな〜と見ていて思います。非常に高価ですので、自分の腕前が持つに値しないことは分かっているんですが、これを持って1人旅に出たら楽しいだろうな〜と妄想してしまいます。



Sandqvist × Hasselblad

そんなスウェーデンを代表する2大ブランドのコラボレーションバッグ Sandqvist × Hasselblad は、Sandqvist のシンプルで独特な外観は残しつつ、内側はしっかりとカメラやレンズを守ってくれるつくりになっています。

ちょうど僕が滞在していた年に発売され、実際に店舗で中身を確認しましたが機能的には十分なものだと感じました。そして店員さん曰くいくつかのラインは即売れしたようで、再販を繰り返しながら少しずつ色の組み合わせを変えていっているそうです。

パターンはバックパック、ショルダー、トートと3仕様展開され、用途に合わせて選ぶことが出来ます。シンプルでオシャレなので普段使いでも全く問題ないと思います。

当時フルサイズミラーラレスを買う予定がなかったので見合わせましたが、今となっては購入すべきだったと後悔しています。涙

ちなみに日本では(バックパック)¥42,000位でネットショップで売られています。

スウェーデン価格が$165ですのでおよそ2.4倍とプレミアムが付いていますね。それでも売り切れてますのでこのバッグと注目度が高いことが分かります。

バックパックはフルサイズカメラ4台とレンズが4機。ショルダーはカメラ1台とレンズが1機入るつくりになっています。

写真好きの方でスウェーデンに行く機会がございましたら、是非 Sandqvist の店舗でチェックしてみて下さい。

*北欧ファッションブランドのリストページを設けました。日本では聞いたことのない、めちゃめちゃイケてるブランドがまだまだありますよ ↓↓↓

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