新型コロナウイルスの問題が未だ解決する見通しの立たない中、国のトップやその取り巻きに対する不満は時間とともに増幅し続けています(少なくとも僕は)。
まるで腐ったダメ企業を見ているかのような現在の政治体制(与党も野党も)は、個人的にはいつか見た景色なんですが、「解体」、「消滅」、「倒産」など、いずれもそのもの自体が無くならない限りは「良くなる」ことが望めない、ウイルス問題とはまた別次元で「絶望的」と言える国の問題だと危惧しています。
ところで、日本の取った「ロックダウンを敢行しない」判断が、正しいのか正しくないのかはまだ誰にも分かりませんが、多くの先進国とは異なる対応に様々な意見が飛び交いしております。
しかし欧州地域おいても、感染拡大が続く中近隣の国とは異なり自国の独自路線(ロックダウンを取らない)を貫く一国があります。
それがここ最近多くのメディアで取り上げられている、スウェーデンです。
現在のヨーロッパとスウェーデンの状況
- スペイン 180,659 (18,812)
- イタリア 165,155 (21,645)
- ドイツ 134,753 ( 3,804)
- フランス 180,582 (17,188)
- イギリス 99,489 (12,894)
- ベルギー 33,573 ( 4,440)
- オランダ 28,316 (12,894)
- スイス 26,336 ( 1,239)
- ロシア 24,490 ( 198)
- ポルトガル 18,091 ( 599)
- オーストリア 14,350 ( 393)
- アイルランド 12,547 ( 444)
- スウェーデン 11,927 ( 1,203)
- ポーランド 7,582 ( 286)
- ルーマニア 7,216 ( 372)
- デンマーク 6,876 ( 309)
- ノルウェー 6,798 ( 150)
と、行き来の多かった南欧、中央ヨーロッパやはり大多数を占めております。
一方で、スウェーデンは感染者数が10万人を超えている各国と比べ、一見数が少ないように見えるものの、人口比率で見た場合はやはり同程度と言わざるを得ません。
また、デンマークやノルウェーなどのロックダウンを敢行した北欧国家と比べた場合、感染者数と死亡者数共に突出して多いことが分かります。
スウェーデンの独自路線
新型コロナウイルスがヨーロッパでも本格的に感染拡大していた2月後半以降、僕は現地の様子や友人達の仕事の状態をずっと聞いていました。
それは「こうなることを予想していた … 」のではなく、今年の夏にまた現地へ行くため様々な手配を4月に入って着手してもよいかどうかを判断するためでした。
逆に言えば、とてもじゃありませんがここまで深刻化するとは思いませんでした、まだ今年行けるものだと思っていたので … 。
しかし、自分がそう思っていた理由の1つは、専門家や著名人がテレビやネットを通じて発信していた、「新型コロナウイルスは一種の風邪のようなもので、やがて感染した人の数が増えれば抗体を持つ人の数が増え、そこで感染拡大が止まる」”集団免疫理論” が唱えられていたことがあります。
僕自身は「よし、じゃあ(ウイルスに)かかる側に回ろう!」と考えたわけではなく、むしろ3月以前からジム、友人と会うこと、職務上の人との打ち合わせなども遮断しました(持病を抱える家族が複数名いるため)。
しかし、今現在の日本含めた世界中の感染状況を見てみると、その集団免疫理論には医療が追いつかない(医療崩壊)ということが明らかになってきました。
スウェーデンでも1月下旬に感染者が発覚し、その後感染が拡大するもロックダウンは実施されず、リモートワークの導入や自粛の要請など、日本とさほど変わらない程度に行動が制限されていたようです。
先ほどの集団免疫に基づいた考え方を主張する、著名疫学専門家 Anders Tegnell 氏の意向などが反映され “感染を遅らせる” 戦略が取られ、お店なども一部形態が変更されはするものの、通常通り営業しているとのことでした。
現に僕の友人達はつい先月まで(自粛ムードはあるものの)レストランで外食し、友人とも会い、普通の日常だったようです。
しかし、そうした思い切りのないように見える政策は、日本同様に国内の感染者数の増加を止められず、経済やお金を優先しているのではないか?と人々から捉え始められたのでした。
ここも日本同様?
彼ら自身これまで適度に自粛し、適度に外へ出てこれまでと同じ日常を過ごす、国の方針通りに生活を送ってきたと言います。それはなぜなら国や政治家を(基本的には)信用しているから。
にも関わらず、これだけの感染者数の増加と徐々に増していく行動制限から、「なぜ初めから近隣国のように思い切った手を打たなかったのか?」と、ここ数日で政府や専門学者に疑念を抱くように変わってきたことが明らかに見てとれます。
コンタクトを取っている10人以上全員にそのような変化が見られるため、これも1つの社会の潮流と僕は捉えています。
で、面白いのが … (と言うと本当に不謹慎なんですが)、そう不満をぶちまける友人の中でも数名が、今でもレストランで誕生日パーティーをし、全員でどんちゃん騒ぎをしている様子をインスタのストーリーでアップしていたりします。
こういった状況を見ると、やはり我々は人間であり、”節度を保つ” というのは人により解釈の仕方が異なる、人によりけりだということです。
僕の(スウェーデン人の)友人達が主張する経済優先政策が、スウェーデン政府の本音かどうかは分かりかねますが、日本政府のこれまでの後手後手対応含め、「経済とバランスを保ちながらこの目に見えない敵と闘う」なんて都合の良い手が通用するわけがないことは明明白白。
要するに、敵(ウイルス)の能力を読み間違い、自分の能力(対応キャパ)を読み間違う、この2つの読み間違いが同時に起こっていると解釈することが出来ます。
日本、スウェーデン(がもし経済を優先しているのなら)共に言えることは、”人が健康でいて初めて経済が成り立つ” という基本にもう1度立ち返るべきではないでしょうか?
(日本政府の場合は経済優先というより、お金を出さない優先と捉えられるべきでしょう)。