ウプサラアントレは第2セメスターで2つのトラックに分かれます。

(Alternative 1)
・Corporate Entrepreneurship
・Strategic Corporate Entrepreneurship
・Master Thesis

(Alternative 2)
・New Venture Catalyst
・Master Thesis

僕は Alternative1受講組だったのですが、2の方にもちょくちょく顔を出したことがあります(ディレクターに「出ろ」とハッパをかけられました)。

今日は Alternative2のベンチャープロジェクトコース、New Venture Catalyst についてお話したいと思います。わずか1ヶ月のベンチャープロジェクトコースとは!?



New Venture Catalyst

まず、「1ヶ月間でベンチャープロジェクトって無理だろ」と思われるかもしれません。その通りです。この New Venture Catalyst は正確に言うとベンチャープロジェクトコースではなく、マーケットリサーチを各々で行なう期間と言えると思います。

各個人で自分の持つスタートアップアイディアの実現可能性を探る活動(市場調査、製品・サービスの作り込み、etc)を行ない、それを最終的にレポートにして提出します。

週に1度ディレクター、講師1名、受講生でフリーディスカッションスタイルでアイディアに対しアドバイスを双方で行ないます。ちなみに受講生は自分の活動報告は毎週する必要がありますが、他メンバーのディスカッションに参加する義務はありません。

ですのでかなりの確率で「生徒1:ディレクター&講師」という状態で、相当ゆるいコースでした。それまでプロジェクトを共にしていた Nataly がこのコースを受講していたのですが、「私のパンツの紐よりゆるいわよ」と日本人みたいなギャグを飛ばすほどでした(Nataly はスウェーデンに来て以来、激太り中だったようです)。

New Venture の種類

クラスメートのベンチャーアイディアは

  • アジアマーケット特化型旅行代理店サービス
  • スケートボードの開発
  • テニスの審判の役割を果たすアプリの開発
  • 留学生向けリクルートサービス
  • インプラント(歯)製造特化サービス
  • 時計の開発
  • ・・・

などなど人によって様々でした。ちなみにこのうちスケートボード開発と時計開発はその後も継続して活動が行なわれているようです。


評価方法

評価方法はレポートの提出のみです。レポートさえ提出すれば必ず合格するようでした。ディスカッションの中身はあまり考慮されないようで、実際講師やディレクターが数字の面で詰め寄るというような場面は一切見られませんでした。

生徒のやる気を損なわないように配慮されているのかもしれません。

1ヶ月で70万稼いだケースも

New Venture Catalyst はほぼ全てのケースがマーケットリサーチに終わるのですが、異例のケースが発生しました。それは先ほどの Nataly なのですが、彼女はウユニ塩湖で有名なボリビア出身で、今も現地に住む姉のために「アジア人をターゲットにしたウユニ塩湖特化型ツアーサービス」を考えます。

現地での車両調達や寝床の確保などバックエンド側のサービスは姉がいるためすでに調査が完了。といいますか既にサービス提供可能でした。

顧客獲得に際してツアーの情報提供や説明会などフロントエンドのサービスはどうするべきか?「Linkedin でビジネスプランを作って投稿してみたら?」と2人でお茶をしながらそんな話になりました。

するとシンガポールをベースに活動するアルゼンチン人女性起業家が、旅行事業の立ち上げを考えていたらしく Nataly にコンタクトをとります。

それからあれよあれよと話が進み、最終的にそのビジネスプラン(現地での段取り代行含む)を彼女に売るという形で決着したのですが、そのお礼代としてなんと現金70万円が Nataly の口座に振り込まれたようでした。

「大丈夫それ?」と最初は信じられませんでしたが、本当に大丈夫だったようです。

Nataly の行動力と Linkedin のポテンシャルに驚かされた瞬間でした。ちなみにその臨時収入でノルウェーへ家族とセレブ旅行していました。