残る4〜5月の2ヶ月間はチームでの修論となり再びカオス的状況へ突入となるので、個人個人で意見やプレゼンを発表したりレポートを書いたりするのはこれが最後になります。
最終トラック Corporate Entrepreneurship はプログラムディレクター自ら教壇に立ち弁をふるいます。「いくぞオメーラ」と言わんばかりに、初日は上着を脱いでシャツの腕をまくり気合満々だったのを今でもよく覚えています(結構まだ寒かったんですが …)。
普段ディレクターは温厚で落ち着いた人だったため、そのギャップに「実は鬼軍曹だったらどうしよう」と少し心配したほどでした。
いよいよプログラムも終盤、果たしてその中身は!?
Corporate Entrepreneurship
Corporate Entrepreneurship はその名の通り社内ベンチャー活動に的を絞ったコースです。
スタートアップ創業期 → 成長期の課題解決 → 国際化 → 非スタートアップ期の起業活動(今ここ)
と、これまでのプログラムのコースはベンチャーのライフサイクルになぞらえてデザインされていることが分かると思います。
このコースの目的は「新たな価値(商品・サービス)を生み出す起業家的活動は、どんなに成功している企業でも絶えず行なわれなければならない」ことを学ぶことにあり、そのことを Intrapreneurship (社内起業家精神)と呼ぶのだそうです。
授業は毎回3時間ほどあり、前半をアップル、グーグル、3M などをその成功例として様々な観点から分析、後半は毎回違うケーススタディを扱い議論やプレゼンなどを行なっていくスタイルでした。もちろん毎回50〜60ページくらいの文献リーディングがあり、レポート提出も5〜6回あります。
ゲストスピーカーや外部組織訪問も
スタートアップが世界的ブームとなるなか、企業は自前で価値創造に取り組む長期的戦略、魅力のあるスタートアップ企業に投資や買収をしかけ技術を取り組む短期的戦略に分けて技術革新に取り組むのがスウェーデンでもトレンドのようです。
以前お話した Stockholm Kista(シスタ)にある Ericsson 本社の企業内スタートアップハブ、Ericsson Garage もこのコース中に訪問することができ良い経験になりました。
また、ウプサラのテックスタートアップハブ BASE10 のイベント参加に関しても、アントレプログラム生が優先的に参加や特典を得られるよう交渉してくれたり、色々と生徒のことを考えて下さっているのが伝わってきました。
評価方法
評価方法も同じです。授業出席日数、自主性(発言や授業態度)、プレゼンの質、ケースレポート5回分、20ページ分のファイナルレポート。
ファイナルレポートは Intrapreneuring という本を読み、コースで学んだことを織り交ぜながら Intrapreneurship が成功する要因をまとめるようなものでした。
ディレクターの文献チョイスも他の講師同様センスが高く、量は多かったですがリーディングに苦痛を感じることはありませんでした。
総評
プログラム最後のトラック Corporate Entreprenership は僕的には ◎ でした。基本的にケーススタディベースで授業が進んでいくので、時に意見を戦わせたり、プレゼンで相手を納得させたり、やることが盛りだくさんでした。ディレクターも適度に厳しい人で、あるチームのプレゼンの質に1回だけキレかけたことがありました。
一方で、このコースの評価に関してはクラス内でも意見が分かれていました。どちらかというと「何かを教授する」というより「生徒間で新たな気づきを生み出す」ことに重きを置いていたため、ディベートなどに少し偏りすぎという意見も多かったです。
1つ僕が不満だったのは、彼の助手(博士課程の生徒)が何度か授業を受け持っていたのですが、めちゃ適当。もちろん授業を進行するのは難しいことだとは思いますが、準備不足で時間を無駄にしているのが明らかでした。
見かねたディレクターがヘルプに入る場面も多かったのですが、「ん〜何なんだこの時間」と生徒のイライラが募る瞬間でした。
とは言え、全体を通して有意義な時間の方が多かったため僕の中では満足するレベルでした。