スウェーデン大学院留学の出願プロセスでは、書類提出が完了した後に Merit Rating が発表されます(3月下旬)。そして、4月初旬に選考結果が発表され、オファーが来た学校へ晴れて進学する流れとなります。

では、オファーを正式に貰えなかったら?

その場合、Waiting List と呼ばれる、補欠合格リストのような順番待ち名簿に名前が載ることになります。

希望プログラムの合格者が進学を辞退すると、ポジションが空いて Waiting List の No.1 の人から順に繰り上げ合格になるという仕組みです。

LINKスウェーデンの大学院に志願する方法2 志願方法

つまり、オファーが貰えなくても、Waiting List No の数が小さければ小さいほど、繰り上げ合格の可能性が高まるというシステムです。

「それじゃあ、例えば Waiting List が繰り上がってギリギリのところでオファー貰えなかった場合は!?」

本日はこの質問にお答え致します。

 僕が経験した Waiting List

このサイトのスウェーデン留学情報ページでは何度も言っている通り、僕はスウェーデンの大学院への出願を2年連続で経験しています。

理由はシンプルで、1年目に本命校を落ちたことが挙げられます。今日はこちらを少し深堀りしてお話ししたいと思います。

かねてから Lund、Lund、Lund、Lund とスウェーデンの名門 Lund 大学への進学を希望していた僕は、1年目の出願時、まさかの「Lund 大学一本」に絞って出願をします。

当時、Lund は New Venture Creation と Corporate Venture という2つの異なるアントレプログラムを設けており、僕はその2つにだけ出願し他の学校へは出願しませんでした。

これは僕が勝手に「相手側(Lund)が、「こいつ(僕)はうちの学校にだけ出願している、本気だ」と、その男気を買って選考結果を出してくれる」という、戦略的都合の良い解釈をしていたためでした。

結果、何の意味もなく晴れて Waiting List に載ってしまうのでした。

しかし、ここで問題です。僕の Waiting List No が何と No.2、その後、辞退者が出て No.1 へとバンプアップしてしまったのです。

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 結論のない Waiting List

2nd Notification でリストの順位が上がるも、これ以降はスウェーデンの大学側から連絡が来ず、待てど暮らせど(実際は1週間くらい)最終的な合否が分からない状況でした。

このまま待つべきなのか? まだ繰り上げ合格の可能性はあるのか? 何かアクションを起こすべきなのか?

僕はここであるストーリーを思い出します。それは、当時英語ブラッシュアップのために通っていた、地元の英会話学校のホームページに掲載されていた、過去の生徒の武勇伝を思い出したのです。

その人は社会人になってからアメリカ MBA 留学を目指すも、結果は補欠合格。多くの時間とコストをかけたことから、「このまま引き下がれない」とその補欠合格を出した大学へと単身乗り込みます。

そして、採用担当者との1対1の面接までこぎつけ、最終的に説得に成功し例外的に正式合格になった … というストーリーが、その英会話学校のホームページで紹介されていたのです。

「ま、まさに、漢(おとこ)… 」

これしか無い!とばかりに、僕も同様のアクションを起こします。

 土下座戦法

先ほどの補欠合格サクセスストーリーに感化された僕は、すぐに Lund University の採用担当者へメールを打ちます。

メールの中では、自分がどれだけ Lund 大学への進学を熱望しているか、このまま諦められないとか、日本から Lund へ行くから直接会って話を聞いて欲しいなど、昭和の熱血営業マン風に自分の覚悟を激アツアピールをしました。

すると、

After the notification of selection results have been published the faculties themselves will contact reserves in the event of drop-outs from the programs. If there will be an available study place the faculty will contact you. You may contact the study advisor ****(名前&メアド) at the Department of Business Administration directly to inquire about the possibilities given your reserve number.

と、経営学部の採用担当者の名前とメールアドレスをゲットします。

「きたきたきたきた」

僕の中ではもうこの時点で、「あのサクセスストーリーを自分にも起こすんだ!」という、いわゆるゾーンに入っている感じでした。モンスター井上選手のような心境です。

そして、担当者の方に最初のメール以上の熱い心アピールを行なうのでした。

そして返信が …

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 公平大国

Thank you for your e-mail. I am happy to hear about your continuous interest in the programme. Since the last application deadline has passed, there is no possibility of any changes in your application or add information. We have a strict application and admission process to ensure that all applicants gets the same treatment. If there is any applicants who turn down their offer we will start to offer a spot to reserve no. 1 and then continue with 2 and so forth. There is no way to effect this order at this stage. If there are openings we will call reserves as soon as we can.

お分かりでしょうか? 「アウトー!」です。さすが公平な国スウェーデン。アプリケーションプロセスも忖度が発生しないよう、厳しく監視がされているようでした。

確かに、時間をかけて選考したにも関わらず、こんな気合い戦法でやって来た人間を相手にして結果をひっくり返せば、そもそも何のための選考プロセスだったんだ? となりますもんね。

結果には非常に落胆しましたが、さすがフェアな国スウェーデンと納得が出来ました。

ちなみに … 、あの英会話学校のサクセスストーリーには、実は裏があることをその後オーナーが語ってくれました。

それは、単身渡米して乗り込んだというのは、実は話大盛りだったそうです。選考結果発表後、大学側から「良かったらキャンパスを見たり、大学関係者と話す機会を設けるので来ませんか?」と、補欠合格者へコンタクトがあったそうです。

つまり、出来レースとまでは言いませんが、それに参加すると補欠→正式合格に変わることが事前確約された、一種のオープンキャンパスツアーへの参加だったんだそうです。

「いやいや、話盛り過ぎやろ」

とさすがに思いましたが、オーナー曰く「本人がそう話を盛って書いた」のだそうでした。

 Waiting List の結果は変えられない

そんなわけで、ありもしないサクセスストーリーに感化されて、本気でスウェーデンに乗り込むつもりで僕は自分に出来るだけのことをやりました。

それ以外にも、Waiting List が発表されてから、追加アピールで推薦状をもう一枚提出(以前カナダに住んでいた時に手伝った、ソーシャルワークプロジェクトの創業者から)など。

しかし、それら追加アクションは何も効力を発揮することなく、公平にアプリケーションの審査が行なわれました。

ですので、Waiting List が発表されて以降は、「基本的に結果が変わることはない!」ということを覚えておいていただければと思います。

(検証)スウェーデンの大学院留学出願プロセスで、土下座戦法は役に立つのか?

(結果)意味なし!

*** スウェーデン大学院留学に必要な全作業をまとめたページを拵え(設け)ました。出願方法、奨学金、授業料など気になる方は覗いてみて下さい。

LINKスウェーデン留学 from A to Z