スウェーデンがキャッシュレス先進国であることを、以前お伝えしました。近年では「現金お断り」の店が以前にも増して街中で見かけられ、どうやら本当に現金流通率はゼロに向かっていくようです。
LINK【現金=悪?】スウェーデンがキャッシュレス社会を実現した真の理由は実は
しかし、そんなキャッシュレス社会スウェーデンで、先日ある珍事件に遭遇しました。あるハンバーガーチェーン店で、キャッシュレスマシーン(クレジットカード決済端末機)が終日故障してしまっていたのです。
明らかにいつもと違う様子の店内を見て、僕はお店に入らざるを得ませんでした。全く食べる予定はなかったのですが … 。
緊急対応(キャッシュのみ受付可能)
ストックホルム中心街、地下鉄構内にある Burger King。お昼時はいつもは人でごった返す店舗です。余談ですがスウェーデンで500円飯を食いたければ、Burger King で時々やってる 39SEK セットを頼むに限ります。
たまたま店の前を通りかかった僕は異変に気づきます。「客が全くいない …」。野次馬根性旺盛な中年ジャパニーズはお店に入ります。
お客ゼロの理由はすぐに分かりました。クレジットカードリーダー(決済端末機)が故障していたのです。よくよく聞くと端末サブ機は店になく、またそれを保守する業者とも連絡がとれなかったようです。
しかたなくオーナーは「現金のみ受付」で緊急対応するよう指示したのでした。
売上約70%ダウン
ところがどっこい、ここはキャッシュレス社会スウェーデン。現金を持ち歩かない人ばかりです。当然、クレジットカードが使えないとなると支払い自体が不可能なため、入店しては注文せずに帰る人が続出していました。
僕は現金を持っていたため、例の39SEK セットを食べながら得意の人間観察をしていましたが、みんな帰る帰る。めちゃくちゃ暇そうにしていた店員さんに、今日の売上について聞いてみると、
「いつもの70%ダウンだね、いやもっとかも。」
と衝撃の回答がありました。実際僕が座っていた間に20組以上の来店客が帰ってしまったので、その数字は大げさではないことは分かりました。
一応は持ち歩く人もちらほら
そうしていると徐々に現金を持って現れる人も増えてきました。と言っても30分座って僕以外に2組でしたが。
この写真のおまわりさん、現金を持っておらず「うそだろおい」というような顔をしながら帰っていきました。そして10分後現金を持つ同僚とともに再度現れ、ハンバーガーとポテトを同時食いしていました。
「そんなに食べたかったんやな。」
僕もバーガーキングは好きなので、気持ちは分かります。しかし、キャッスレス社会でキャッシュレス非対応した場合に、実際のビジネスにどういう影響があるのかを見ることが出来たまたとない機会でした。
インパクトは特大です。