2013年頃からキャリアチェンジを考えていた僕はあまり深く考えずすぐさま「留学しよ」となりました。

留学に至った経緯としましては、少しの間自分自身が日本を離れたかったことや(病んでいたとかではないです)、以前海外赴任するチャンスを逃してしまったこと、それからずっとスウェーデンに対する好奇心を持ち続けていたことなど様々な要素がありました。

LINK僕が行く前からすでにスウェーデンに魅了されていた理由

この章の最後に述べますが、結論から言うとスウェーデン留学に決めた理由が、

 ・起業精神旺盛な文化だったこと

 ・勉学以外に社会から学べることが多かった

 ・ネイティブ英語圏と比較しても劣らない英語環境があったから

の3点になります。それでは順を終って僕がスウェーデンに決めたプロセスをお話ししたいと思います。

なぜアメリカ・イギリスじゃなかったの?



捨てきれない好奇心からスウェーデンの大学院に目標設定するわけですが、今後のキャリアのことを考えると失敗出来ません。一応、THE 留学先のアメリカ、イギリスも調べてみるわけです。

その前に何を勉強しようか? 職歴6年、20台後半の流れとしましては通常MBA留学が一般的ではないかなと思いますが、僕は極めて凡人で何か能力がずば抜けているというわけでもなかったんですね(今もないです)。

また、MBAとなればアメリカ、カナダ、イギリスあたりがすぐに思い浮かんでくるわけですが、これらの国々は本当に学費が高い。完全自費留学ですのでコストの高さも懸念点になり、どうもMBA留学というのが自分のなかでしっくり来ませんでした。

一応アメリカ、カナダの名門校(UCバークレイ、トロント大、etc) でMBAを取得された卒業生の方々(同じく自費留学)に会って話をうかがいました。どの学校も密度の濃いプログラムを提供して良い経験になったと話された一方、卒業後は莫大に費やしたお金を回収するのに就職して通常通り働いていらっしゃいました。

これはあくまで僕の主観ですが、特段キャリアアップを果たされたように見えなかったというのが正直なところでした(失礼なことを言ってすみません)。

もちろん人は人、自分は自分ですが、そういったことがMBA留学に対するしっくり感を削いだのもまた事実でした(3人のうち1人のアメリカ人は学生ローン800万円の返済に苦しんでさえいました)。

当然、MBA取得後起業して成功をおさめたり、厚遇な職に就く自信のある方であれば絶対に意義ある経験だと思いますが、僕はなんといってもビビリなんです。

スウェーデンのMBAプログラム

余談ですがスウェーデンでMBAプログラムはあるのか?あんまり聞かないぞ?

実は1つだけあります。

・Stockholm School of Economics

Stockholm School of Economics(ストックホルム商科大学)は、スウェーデンでは知る人ぞ知る経営系の大学です。マネジメント部門での学校の評価も高いようで、ストックホルムで経営系プログラム受講をお考え中の方は要チェックな学校だと思います。

ただし、こちらは Executive MBA という仕事をしながらMBAプログラムを受けるタイプで、現地または通学出来る圏内で職を持っていることが必須でした。

またフルタイムでない分、期間も18ヶ月と若干長め(ヨーロッパのMBAプログラムは1年が多いです)です。(ちなみに Stockholm School of Economics MBAのクラス内ダイバーシティはスウェーデン人が半数、あとはヨーロピアンがやはり多いみたいです。)

僕自身は1年間の留学を考えていたことと、現地で仕事にありついて初めて志願出来るというプロセスがネックだったため、スウェーデンでMBAというのは自分の頭には初めからありませんでした。

アントレ

どうやったらスウェーデンに行く理由を正当化して周りの人に説明出来るか?この完全に後付けな発想を救ってくれたのが、近年 スウェーデンではハイテク系スタートアップシーンが隆盛をきわめているという事実を知ったことでした。

僕は完全文系でハイテクとは真逆の田舎人だったのですが、前職で新規事業ユニットの立ち上げを行なった経験からスタートアップには興味がありました。

スウェーデンではSpotifyをはじめ多くのIT系スタートアップが近年ヨーロッパを中心に存在感を増していると、様々なサイトで紹介されていました。

前述でも話したように、政府もIT関連の新規事業には全面的にバックアップしているようで、そこにスタートアップインキュベーターやベンチャー企業が集まるコーワーキングプレイスなどがネットワークとして加わり、シリコンバレーのようなスタートアップエコシステムが出来上がりつつありました。

これはおもしろい!見てみたいぞ!



そういったこともあり、スタートアップの勉強といえば Entrepreneurship(アントレプレナーシップ)ですので、こちらのプログラムについて調べてみるところから始めました。

当時スウェーデンに限らず多くの国の大学院で Entrepreneurship が単一プログラムとしてスタートし始めていたことも、世界中でスタートアップブームが起きているもしくはこれから起きることを予感させ(それまで Entrepreneurship は MBA プログラムの1科目として扱われていました)、これはもうスウェーデン→スタートアップ→アントレプレナーシップと完璧な後付け理由が完成したと確信した瞬間でもありました(この時点ですでにどこかのスクールに受かった気になっていました。後々、これがとんでもない悲劇を生みます)。

スウェーデンでもルンドやウプサラ、王立工科大などトップ校は Entrepreneurship を単一プログラムとして提供しており、費用も欧米のMBAコースと比較して格段に低い(それでもそこそこ高いです)。色々考えた結果、

Sweden, Master, Entrepreneurshipで志願の準備を進めていくのでした。

スウェーデンで勉強することの意義

少し話がワープしますが実際に留学を終えた者として言えることは、スウェーデンで勉強することは非常にメリット大きいと思います。というのも、勉学以外にも社会から学べることがたくさんあると感じることが多かったからです。

僕自身はスタートアップが盛んな環境というだけで十分な大義名分があったのですが、日本やアメリカとは違う福祉先進国から学べることは学問以上で、自分の人生観にインパクトを与える程でした。

例えば社会基盤が安定し将来不安が少ない中で生活することの重要性は、それが多い日本の現状と比較した場合特に強く感じましたし、またそれが子供の生き方を180度変えてしまう様を実際に目にしました。

僕がスウェーデン社会から得たヒントは将来自分の人生のどこかで必ず役に立つと強く感じており、いつかこの点に関して自分なりの考察をお話し出来ればと思います。

その他のポイントとして、非英語圏で暮らすことは言語習得の点でデメリットではないのか?という質問をよく受けます。結論から言うとスウェーデン人の英語はほぼネイティブレベルと言っても過言ではありません。

これは僕が北米に1年以上滞在していたことと、同じく非英語圏のドイツにも住んでいた経験から断言出来ます。直近の調べではスウェーデン人の英語のレベルは世界第2位(1位はオランダ)で、母国語と同じレベルで操ります。

これは私感ですが、スウェーデン人はとっさの英語での切り返しも0.5秒内でレスポンスが可能です。ちなみにオランダ人は0.1秒くらいで切り返してくる感じの超人レベルです。

ですが、それもそのはず。スウェーデンは人口の2割が外国にバックグラウンドを持つ人たちで、数年間の短期滞在者を含めればこの割合はさらに増します。

文字通り共通言語である英語を話せなければ様々な人種が集うスウェーデン社会ではコミュニケーションを取ることが出来ません。英語技能が不可欠な状態が彼らの生活に浸透しているのです。

これらのことより、大学でもそれ以外の野外活動においても基本的には英語環境に身を置けると言って間違いありません。中途半端に同じ国籍の人が集まりやすい英語圏の国を選ぶと、確実に彼らの母国語を話され1人ぼっち感を味わうことになりますが、スウェーデンではそれを味わうことは恐らくないでしょう。

とにかく1つ言えることはスウェーデンへ留学したことは様々な点から大・大・大正解でした。