しかし、そこで提供されていた Motivation Letter が参考にならず、あらためてゼロベースで文章構成を考えることにします。
LINK【留学経験者直伝】複数校からオファーをもらうMotivation Letter/ Personal Statement(志望動機書)の書き方
そして、次に僕がしたことは、
「自分を見つめ直す」
という作業でした。
聞こえはロマンチックですが、実際は非常に地味な作業で、これまで社会人になってからの職務経歴を事細かく思い返す、洗いざらい紙に書き記すという作業でした。
自分を見つめ直す
本来であればどういった文章構成にするかなど、フレームワークを決めてからこの作業を行なった方が効率的だったかもしれません。
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ただ僕は、自分自身モノ思いにふけりたかったのと、ブレスト(ブレーンストーミング)したかったこともあり、あえて頭真っ白な状態で時系列順に、過去数年間に仕事で起こった出来事や、失敗、苦労したこと、成功体験、etc などを書いていきました。
「そういや、あんなこともあったな」
と、昔の仲間を思い出したり、無駄に思い出し笑いしたり、思い出して胸糞悪い気分になったりと、やはり自分でも忘れていたようなことを書き出すことが出来ました。
そして、その自分の失敗経験から何を学び、どう生かし、どのような苦労をどのように乗り越え、最終的に成功へと繋げたのかを改めて自己分析し、出来事1つ1つを文章としてストーリー化させました。
さらに、その1つ1つのストーリーが、自分が専攻するプログラムとどのような関連性があるかを考え、失敗→学び→修正→成功で得た(高まった)自分の能力を、今後どのように生かせることが出来るのかというクロージングの文章を各ストーリーのお尻に付け加えました。
自分が経験した全ての出来事(ストーリー)が、専攻するプログラムと深く関係しているという印象を与えるためです。
ここで一旦この作業はストップします。どのストーリーを抽出するかは、文章構成を考えてから決めることにしました。
文章構成について
文章構成については本当に悩みました。
一応ネットで検索して出てくるモノを読んでみたり、カナダ人の友人(教育者)が送ってくれた別の方の大学院博士課程進学時に提出した志望動機書などに目を通しましたが、これぞまさに決まった形なし。
この友人が送ってくれたモノに関して言えば、ハイレベル過ぎてもはや英語さえも何を言っているのか理解不能状態でした(イェール大学院進学者)。
そこで、いくつかの条件を決め、とりあえず書いていくことに。のちのち邪魔な部分を削ぎ落として、筋肉質な Letter に仕上げることにします。
そして、その時僕が決めた大枠条件は、
- Intro – Body – Conclusion の定型論文フォーマットにする
- Body の中身は時系列順に語る
- 2ページにおさめる
- とりあえず第一志望のルンド大学に対して書き、その後横展開していく
としました。
自分はアカデミック分野に精通しているわけでもないので、基本の論文フォーマットでオーソドックスに書くこととしました。正直、それ以外思い浮かばなかったというのが本音です。
また、僕が色々と読んだ Motivation Letter の中には、1ページにおさめているものもありましたが、やはり短い分読み手として筆者のことを理解するのはなかなか大変だなと感じ、2ページにすることに。
本来は完結にアピール出来れば言うことがないので、1ページが良いか2ページが良いかは各々が判断するのが良いかと思います。
中身の条件
- Body に各キャリア(僕の場合は2社分)や自分がアピールしたいストーリー(前項)を1つずつ入れる
- Body の最後の項に、自分の目標や進学したい学校(プログラム)がなぜ自分に重要なのかの説明
- Conclusion で、自分がどのような人間で、どのようにプログラムに貢献出来るかを猛烈アピール。
を設定しました。
各キャリアのストーリーには、1番苦労したものをピックアップ。前項で述べたように、手を焼いた経験含め包み隠さず話しました。僕が専攻したアントレでは、「失敗経験=宝」という認識が一般的にあるので、そういった自分の苦労話などが書きやすかった面はあります。
また、アピールしたいストーリーには、国際性の高さを証明するグローバル経験を選び、自分は世界規模で動いてきたということを訴えることとしました。
さらに、Body の最後の項には、自分にはどういった目標があって、それを達成するのに専攻する学校のプログラムがいかに自分に重要かを語りました。
ここでは、卒業生が立ち上げたスタートアップなどについても語り、あなたの学校をよく調べていますよアピールしながら、最後の Conclusion の猛烈アピールに向けて布石をうつような文章を散りばめました。
以上のことを踏まえて、最終的に Body の中身は、
1社目のストーリー → 2社目のストーリー → グローバル経験のストーリー → 専攻プログラムの重要性についての語り
と4つの Body パートを設けることになりました。
そして、最後の Conclusion パートは、自分の熱意を存分に込めた猛アピールタイムとし、「とにかくあなたの学校で勉強する必要が私にはあるんだ」ということを訴えました。
よって、Intro – Body(4)- Conclusion と、6つのパラグラフを設けた計2ページの Motivation Letter としました。
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CV(職務経歴書)や推薦状との整合性
話は少し横道にそれますが、Motivation Letter の文章構成と中身の条件を決めた時点で、僕は CV(職務経歴書)の作成に取りかかりました。
各キャリア(1社目、2社目)で自分がどういったことを達成したのか、「見つめ直し」の作業で再認識出来たので、あとはそれをきれいに書き移すだけだったためです。
LINK【海外大学院留学経験者直伝】英語で職務経歴書(CV)の書き方
当然、その CV を完成させていく課程で、自ずとどのストーリーを Motivation Letter のアピールポイントとしてピックアップすべきかが見えてきましたので、この流れは後々考えれば良かったのかなと思います。
現に作業に停滞がなく、2ヶ月という時間はかかりましたが、ストレスなくしっかり考えて満足のいく CV と Motivation Letter を作成することが出来ました。
また、この作業手順のおかげで、両方の内容に整合性を持たせられ、アピールしたい部分に関しては CV で布石として端的に触れ、 Motivation Letter でその内容をガッツリ語る流れにもっていきました。
さらに推薦状についても、CV、Motivaton Letter でアピールしているポイントについて、依頼時にこちらから指示出しをして、その内容について第三者目線での評価として書いていただきました。
LINK【大学院留学最大の難所!?】推薦状のもらい方、もらう相手、依頼方法について
後付けですが、話の整合性と信ぴょう性に厚みを持たせることになったと思います。
作成した Motivation Letter
僕が作成した Motivation Letter の公開なんですが、今どういった形で公開するのが一番良いかを考え中ですので、しばらくお待ち下さい。ステレオタイプ化して皆さんの「見つめ直し」作業を邪魔したくないので、全文公開とはいかないと思います。
ちなみに、第一志望のスウェーデン・ルンド大学向けに満足のいく出来に仕上がったこの Motivation Letter。結果として、満点に近い Merit Rating (メリットレイティング)を獲得し、ルンド大学は落選(笑)。
LINK【悩みの種】Merit Rating(メリットレイティング)とは!?
しかし、その作成したレターを横展開させ(中身の大学名などを変更)、第二志望だったウプサラ大学、イギリスの国立大学院3校、ドイツの私立校からオファーをもらえ、他にもドイツやポーランドの国立大学院の最終選考に進むことが出来ました(両方途中で辞退を申し出ました)。
Motivation Letter の書き方、メンタリティ編/テクニック編として、僕がどのように2ヶ月取り組んだのかをお話ししました。
当然、この凡人おじさんのとった方法が一番効果的&効率的だとは思いませんが、何もないところから書いた結果オファーをたくさんいただけたので、まずまずの成果物が出来たのだと思います。
情熱とストーリー性。
これらを意識して是非皆さんも満足のいく Motivation Letter/Personal Statement(志望動機書)を作っていただければと思います。
*** スウェーデン大学院留学に必要な全作業をまとめたページを拵え(設け)ました。出願方法、奨学金、授業料など気になる方は覗いてみて下さい。
初めまして。
10年以上の社会人生活を経て、遅まきながら留学を志している者です。
Motivation Letterを作ろうと情報収集を試みた中で最も納得・共感できたのがTadaさんのこの記事で、目から鱗でした。自分もテクニック論ではなく自分をとことん見つめなおすことから始めています。
もし差し支えなければ、TadaのMotivation Letterを一部でも何らかの形で拝見できないでしょうか?
このようなお願いをすること自体が矛盾しているかもしれませんが、使えそうな文章を拝借しよう! などという邪な意図ではなく(私は理系で出願予定先もスウェーデンではありません)、Tadaさんの正しい方法(と私は思っています)で取り組むと、巷の平板なMotivation Letterとどれほど違った、情熱が伝わるものになるのかを実感してみたいです。
ご検討よろしくお願い致します。
こんにちは、ご連絡ありがとうございます。 身に余るお言葉いただき、大変光栄に思います。私も30代に入ってから大学院留学しましたので、全く遅いということはないと思いますよ! Motivation Letter についてなんですが、実は数年前に書類整理の過程でデータを消去しまして、現在紙ベースでも保管していない状況です。お役に立てず恐縮ですが、ご理解いただけると幸いです。
ご返信ありがとうございます(下さったコメントで「返信する」をクリックしても反応しないので、新規のコメントになっているかもしれません)。
そうでしたか。拝見できないのは残念ですが、おかげで方向性が定まりました。重ねてありがとうございます。
今もスウェーデンにいらっしゃるのでしょうか? ますますのご活躍を確信しております。